行定勲監督&高良健吾、熱いトーク展開 ニューヨークで新作を撮る構想も
2017年9月23日 12:00
[映画.com ニュース] 新作映画「ナラタージュ」の公開(10月7日)を控えている行定勲監督の初のエッセイ集「きょうも映画作りはつづく」の刊行記念イベントが9月22日、東京・西武池袋本店で行われ、行定監督と俳優の高良健吾がトークを繰り広げた。
同エッセイは2001~03年、07~17年までの13年間、行定監督の故郷・熊本のタウン情報誌、通称「タンクマ」に連載されたコラムを編集したもの。「映画監督の日常というものは」というコラムにはじまり、「GO」「パレード」「ピンクとグレー」などの創作秘話、世界の映画祭の話、役者やプロデューサーたちとの出会いと別れ、舞台演出の挑戦、菊池映画祭、熊本地震の記憶など、映画への熱い想いと苦悩が綴られている。
この日は、同郷で行定監督と縁の深い高良が対談相手として招かれた。エッセイを読んだ高良は、「まだ見ていない映画を見ている感じでした。行定さんはずっと色々な種を撒き続けていて、それが僕にも届いていたと思うと、読んでいて涙が出てきました」と感想を語った。行定監督と高良は、BeeTV「女たちは二度遊ぶ」、WOWOW連続ドラマ「平成猿蟹合戦図」、映画「うつくしいひと」「うつくしいひと サバ?」でタッグを組んでいるが、実は高良は「タンクマ」の高校生スタッフとしてアルバイトをしていた経験があり、監督と俳優として出会う前から同郷だけではないつながりがあった。
行定監督がこのエッセイは「自分に対するエールでもある」と語るように、エッセイのなかには、○○をしたい、○○をやろう、という夢も綴られ、13年間の間にその夢を実現させている。「1回目のエッセイに、熊本に映画祭を作らなくてはならないと書いていますが、高良くんにも手伝ってもらって、実際に数年前から熊本で映画祭をやっています。このエッセイの最後は『熊本市長との約束』『そして映画作りはつづく』と、映画祭の話で終わっていて、作られすぎじゃないかって思うけれど、嘘じゃないです(笑)」と明かした。
印象に残っているエッセイについて、高良は「松井秀喜が現役を引退する」というエピソードを挙げると、行定監督は「そのエピソードは自分が監督になるための試練だった」と当時をふり返った。92年に行定は「熱闘甲子園」のディレクターの1人として、ゴジラ松井を追いかけていた。「夕食会の挨拶か、夕食後の六甲山観光か、どちらか一方を選ばなくてはならならない撮影があって、そのときに(必死で)迷ったことは、その先、映画を作るための試練だったと思うし、そのオンエアを見た視聴者からの温かい言葉があったからこそ、自分はいま映画を見た観客の顔を考えて作っているのか……、と考えることができる」と語った。
ほかにも、「ロックンロールミシン」の撮影中に寝落ちしてしまったことや、舞台演出をしたことでその後の映画の撮影の仕方が変わったこと、森田芳光監督や深作欣二監督ら尊敬する先輩たちが遺してくれたことを多くの人と共有したくてエッセイを書き続けていることなど、貴重なトークが展開された。そのなかには、今後の企画についての話題も。高良の「ニューヨークで映画を撮ることと、カンヌ映画祭に行くことはまだ叶えていないですよね?」という問いかけに、「実際にニューヨークで『GO』のようなノリの映画を撮ろうという話はあったけれど実現しなかった。ダメなヤクザがニューヨークに飛ばされる映画を撮って、それでカンヌに行こうか(笑)」とトークは大盛り上がりだった。
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