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是枝裕和監督「三度目の殺人」に喝さい ベネチアの反応に福山雅治も安堵

2017年9月6日 11:36

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レッドカーペットを練り歩いた 福山雅治、是枝裕和監督ら
レッドカーペットを練り歩いた 福山雅治、是枝裕和監督ら

[映画.com ニュース] イタリアで開催中の第74回ベネチア国際映画祭で9月5日(現地時間)、コンペティション部門に出品された是枝裕和監督の「三度目の殺人」が公式上映され、歓声とスタンディングオベーションで迎えられた。

是枝監督にとって同映画祭は初長編作「幻の光」以来、22年ぶりの参加となるが、長年にわたる国際映画祭への参加を通して、着実にファンが増えているという印象だ。是枝監督は、「ベネチアでのデビュー作の経験がなかったら、今こんな風に映画を撮ることはできなかったと思うので、成長した姿をまたここで見せることができたのではないかなと感じています」と振り返った。

ベネチアには是枝監督とともに、主演の福山雅治役所広司広瀬すずが顔を揃え、上映後には日本の報道陣の取材に応じた。福山は、「上映が終わった瞬間に、予想していたよりも早い段階で拍手が沸き起こったので、すごくいい届き方をしたんだなと感じました。そのときに隣に座っていた監督が僕の膝に手を置いたので、ほっとされたのかなと思い、僕もほっとしました(笑)」と明かした。さらに、「一瞬海外で上映しているんだということを忘れてしまうぐらい作品に引き込まれたんですが、それは作品の持つ力なのだなと感じました」と語った。

一方、役所は「静かな映画ですけれど、そのなかでもお客さんが本当に集中して見てくださっていて、映画がドラマチックにぐらっと動く瞬間を、お客さんの方から感じることができました」と発言。広瀬は「前回監督と(『海街Diary』で)カンヌに行かせて頂いた時とはまた違う色だったり音だったりに触れることができて、生のリアクションを感じたことはとてもエネルギーになりました」と答えていた。

三度目の殺人」は是枝監督自身の原案による、脚本、編集も兼ねた法廷心理劇。殺人罪を自白した男がその後、証言を二転三転させ、単純に見えた事件が物語が進むに連れ複雑化していくというストーリー。容疑者・三隅(役所)と弁護を引き受けた重盛(福山)との対峙を強調するような、緊張感あふれるシネマスコープの画面により、不条理な法廷、また不平等な社会のシビアな現実が浮き彫りにされる。

是枝監督は会見で、「謎がだんだん解けて犯人に辿り着くのが王道だと思うのですが、この映画はその逆。シンプルなはずの事件が、ドラマが進むにつれて複雑にわからなくなっていく」と説明。また、リサーチのためさまざまな弁護士に出会い、法廷は真実を追求する場所ではないと言われたことを明かし、「この映画を撮りながらずっと、人は果たして人を裁けるのか、法廷は誰かを裁く場所なのか、それとも誰かを救う場所なのか、と考えていました。たぶんその答えはないのだろうと思います」と語った。

また今回、是枝監督たっての希望で音楽を手がけたイタリア人の作曲家ルドビコ・エイナウディは、「黒澤明の『羅生門』にも通じるようなさまざまな視点からこの映画は描かれていて、何が真実なのかわからない。そこが面白いと思い、それを核にして音楽を作りました」と語った。果たして審査員メンバーの評価はどのようなものか。9月9日の授賞式の結果が待たれるところだ。(佐藤久理子)

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