大林宣彦監督が幻の脚本を映画化した「花筐」12月16日公開!予告編&ポスターも入手
2017年8月18日 06:00

[映画.com ニュース] 大林宣彦監督が作家・檀一雄の純文学作品を映画化する「花筐 HANAGATAMI」が、12月16日に公開されることが決定。あわせて、大林監督の娘婿でもある漫画家・森泉岳土がイラストを手がけたポスタービジュアルと予告編を、映画.comが入手した。
本作は、大林監督の商業映画デビュー作「HOUSE ハウス」(1977)より以前に書き上げられていた幻の脚本を、40年の時を経て映画化するもの。“尾道三部作”をはじめ、「この空の花 長岡花火物語」(2011)、「野のなななのか」(14)といった“古里映画”を撮り続けてきた大林監督が新たな物語の舞台に選んだのは、佐賀県唐津市。絢爛豪華な“ヤマ”と呼ばれる巨大な山車を曳き回す同所の祭「唐津くんち」が映画史上初の全面協力を行っており、戦争の時代に生きた若者たちを主軸に、心が火傷するような凄まじい青春群像劇を、圧倒的な映像力で描いている。
物語の主人公・榊山俊彦に扮したのは、大林映画常連の窪塚俊介。俊彦が憧れを抱く並外れた魅力を有する美少年・鵜飼役を満島真之介、病に苦しむヒロイン・美那を若手女優の矢作穂香が演じ、長塚圭史、柄本時生、山崎紘菜、門脇麦、常盤貴子ら個性あふれる実力派キャストが結集している。
お披露目されたポスタービジュアルは、窪塚らキャスト8人をメインに「唐津くんち」の曳山が描かれており、背景には大林監督の本作への想いや、原作者・檀との交流がつづられている。森泉の繊細なタッチが光るモノクロのイラスト、そして赤字のタイトルという一見シンプルな色合いではあるが、古風な味わいを醸し出す独特な世界観に心を奪われる仕上がりだ。
「唐津くんち」の光景に続き、「これは、いつの時代にも存在する若き命たちの青春の純潔の物語である」というテロップが挿入された場面から始まる予告編は、大林監督ならではの演出によって生まれた異様な雰囲気が終始漂っている。“不良”なる青春を謳歌していた俊彦らの友情や恋、憧れや嫉妬、平和な日常を侵食していく戦争の気配を赤裸々に描き出し、彩色豊かなルックからは、美しさのみならず、狂喜や儚ささえ伝わってくる。
「花筐 HANAGATAMI」には、村田雄浩、武田鉄矢、入江若葉、南原清隆、小野ゆり子、岡本太陽、根岸季衣、池畑慎之介、細山田隆人、白石加代子、大川竜之助、片岡鶴太郎、高嶋政宏、原雄次郎、品川徹、伊藤孝雄らも出演する。12月16日から東京・有楽町スバル座ほか全国順次公開。
(C)唐津映画製作委員会/PSC 2017
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