心臓移植をめぐる重厚な人間ドラマ「あさがくるまえに」心震わす予告編公開
2017年7月24日 18:00
[映画.com ニュース] フランスの実力派俳優が結集し、ベストセラー小説を実写化したヒューマンドラマ「あさがくるまえに」の予告編とメインビジュアルが、このほど完成した。
「ダゲレオタイプの女」のタハール・ラヒム、「母の身終い」のエマニュエル・セニエ、「Mommy マミー」などグザビエ・ドラン監督作品で知られるアンヌ・ドルバルが顔をそろえ、心臓移植をテーマにしたメイリス・ド・ケランガル氏のベストセラー小説を映画化。事故で脳死状態と宣告された青年とその両親、青年の恋人、医師、臓器移植コーディネーター、臓器提供を待つ女性音楽家とその息子たちといった面々の心の変容がすくい取られていく。「聖少女アンナ」「スザンヌ」で知られるカテル・キレベレ監督がメガホンをとった。
予告編は、明け方の海をとらえた美しい映像から始まる。仲間と共にサーフィンを楽しんでいるシモン(ギャバン・バルデ)の姿や、シモンと恋人の出会いがつづられ、シモンが事故で脳死状態となったことを知らされた両親が悲痛な表情を浮かべるさま、臓器提供を待つ身のクレア(ドルバル)が「人の心臓を使ってまで(生きるべきか)」と葛藤する姿などが次々と映し出されていく。
心に訴えかけるストーリーだけでなく、キレベレ監督の映像センスがうかがえる内容となっており、「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」や「リリーのすべて」、「光をくれた人」などで知られる作曲家アレクサンドル・デプラの叙情的な音楽が深みを与えている。
キレベレ監督から日本のファンに向けたメッセージも収録されており「初めて私の映画が日本で公開されることになりました。とても喜ばしく光栄です」と笑顔を見せている。キレベレ監督は、日本語で「アリガトウゴザイマス」と締めくくっている。
メインビジュアルでは、臓器移植コーディネーター・トマ(ラヒム)が手術台に横たわったシモンを優しく見つめる姿が描かれている。映画の重要シーンの直前を切り取ったものとなり、この後に起こるドラマティックな展開を予感させる。
「あさがくるまえに」は、9月16日から東京・ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開。