光をくれた人
劇場公開日:2017年5月26日
解説
「ブルーバレンタイン」のデレク・シアンフランス監督が、孤島に流れ着いた赤ん坊を我が子として育てる灯台守夫婦の愛と葛藤を描いたM・L・ステッドマンの小説「海を照らす光」を映画化したヒューマンドラマ。第1次世界大戦後のオーストラリア。孤島ヤヌス・ロックに灯台守として赴任した帰還兵トムは、明るく美しい妻イザベルと幸せな日々を送りはじめる。やがてイザベルはトムの子を身ごもるが、立て続けに流産と死産に見舞われてしまう。そんな矢先、男性の死体と生後間もない赤ん坊を乗せたボートが島に流れ着く。赤ん坊に心を奪われたイザベルは本土に報告しようとするトムを説得し、赤ん坊にルーシーと名付けて我が子として育てはじめるが……。トム役を「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスベンダー、イザベル役を「リリーのすべて」のアリシア・ビカンダーがそれぞれ演じる。
2016年製作/133分/G/アメリカ・オーストラリア・ニュージーランド合作
原題:The Light Between Oceans
配給:ファントム・フィルム
スタッフ・キャスト
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2017年5月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
「ブルー・バレンタイン」や「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」で夫婦間、そして父子のクロニクルを描いてきたシアンフランス監督が初めて挑む原作物にして、初時代劇、初のドリームワークス作品。これほど初めてづくしながら、演技の域を超えた親密さを生み出す彼独自の演出法は健在だ。6週間にわたる共同生活や、ごく少数のスタッフだけで行った撮影などによって、ファスベンダーとヴィキャンデルの間には見事なまでの信頼感と濃厚な空気が醸成されるに至っている。彼らにレイチェル・ワイズを加えた3人の登場人物は誰もが光を失う悲しみを知っている者たちだ。それぞれの思いの中で胸が張り裂けそうになりながらも、「たった一度の許し」をめぐって下されるそれぞれの決断。二つの海がぶつかり合う過酷な環境下で描かれる力強いラブストーリーであると共に、世代を超えたクロニクルという側面も垣間見え、シアンフランスの力作に仕上がっている。
2023年1月2日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
興味深い灯台のある無人島の生活から、最後のエンドロールイン映るかすかな映像まで、すべての瞬間がハイライトだった。後半はもう涙なしでは見られない。荘厳な空気に貫かれ、孤独の寂しさから夫婦の絆、そして子供、孫まで続く奇跡的な出会は深い愛情に包まれている。 島の風景、まぶしいまでの陽の光、どこまでも続く大海原、穏やかに吹く風はもう一作品ではなくて自分の体験となって一生忘れない。 こんな映画に出会えたことに感謝。
2022年3月2日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
今になって本作を観てしまうと「ライトハウス」を思い出してしまう、灯台のテッペンには奇妙な存在でもある"デフォー"が待ち構えているような!??
劇的な展開を期待しながらも淡々と静かに進む物語にデレク・シアンフランスの前二作が個人的には傑作である為、何か先が読めるような物語構成で原作があるにしても消化不良気味な感覚。
ファスベンダーの役はライアン・ゴズリングが演じる筈だったように思えてしまう、色々がノイズになり物語自体に集中出来なかった。
希望が絶望に変わり、
絶望が希望に変わる。
希望を奪った赦しと、
絶望したその人への赦し。
本監督の作品は物語が簡略されながらも
感情を揺さぶられるし、飽きずに見ていられる。