ロジャー・パルバースが反戦映画の名作紹介、大学生に講義
2017年7月6日 23:25

[映画.com ニュース]大島渚監督の「戦場のメリークリスマス」で助監督を務めたアメリカ出身の作家ロジャー・パルバースが、太平洋戦争下の沖縄を舞台に書いた小説を、自身の脚本、初監督作品として映画化した「STAR SAND 星砂物語」の公開を前に7月6日、目白大学社会学部で「戦争映画の読解力(リテラシー)」と題した講演を行った。
ベトナム戦争への反発から、パリ、ワルシャワの大学に留学後、来日し、日本の地を踏んで50年になるというパルバース監督。「旧ソビエトに行ったのは20歳の時。その時は共産主義でアメリカの敵だった。モスクワに1週間滞在したが、僕が会ったロシア人は親切な人だった。人間はどこに行っても同じだと思った。みな、同じ憧れがあって、乱暴があって、家族のために幸せになってほしいと考える。どうして戦争があるのかと思った」と当時を振り返る。
そして、「本当の知識とは未来を予言するもの。過去を受け継ぐのではなく、子や孫から未来を借りるということ。それを裏切ると将来はない」と訴え、「西部戦線異状なし」「ジョニーは戦争へ行った」「野火」「ビルマの竪琴(1956)」「父と暮せば」など、反戦をテーマにした名作を紹介。「この映像を見て、自分の国のことだと想像できますか?」と20代の学生に問いかけた。

自身がかかわった「戦場のメリークリスマス」については、「敵国を平等に描かない映画は反戦映画でなく、賛美する映画になる」という大島監督の言葉を引用し、「勝つのも負けるのもおなじ。みんな負けるだけです。どちらが正しいとは言えない。しかし、自分の意見を持たなければ」と呼びかける。
さらに、「博士の異常な愛情 または私は如何にして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか」の、第2次大戦中英国兵に愛されたヒット曲「We'll Meet Again」をバックに、数々のきのこ雲が映し出されるラストシーンに触れ、「一瞬にして命を奪う瞬間を美しく映し、懐メロをバックにブラックユーモアとして描いている反戦映画の古典。僕はこれは反戦映画かどうか疑問を持っている」といい、「ヒロシマ、ナガサキにどういう意味があるか。アメリカ人は戦争を終わらせたと正当化しますが、それでよかったのか。日本のみなさんのナラティブ(説話)の中にヒロシマ、ナガサキはどういう役割を果たしているのか、考えてほしい。日本はこれから核兵器を作るのか、どうか。核兵器を落とされた国の市民としてどう考えるのか考えてほしい。僕には答えはありませんが」と語った。
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