エル・ファニング、「夜に生きる」で3ページに及ぶ説教シーンに挑戦「滅茶苦茶緊張した」
2017年5月20日 11:30
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[映画.com ニュース]「ネオン・デーモン」や「20センチュリー・ウーマン」(6月3日公開)、「ハウ・トゥ・トーク・トゥ・ガールズ・アット・パーティーズ(原題)」(12月2日公開)と2017年に出演作が立て続けに公開する人気女優エル・ファニングが、ベン・アフレック監督・主演作「夜に生きる」(公開中)について語った。
「アルゴ」で第85回アカデミー賞作品賞に輝いたアフレックが、長編初監督作「ゴーン・ベイビー・ゴーン」に次いで再びデニス・ルヘイン氏の小説を映画化。禁酒法時代のアメリカ・ボストンを舞台に、ギャングの青年ジョー・コフリン(アフレック)が運命に翻ろうされながらも裏社会で成り上がっていくさまを描く。ファニングは、ジョーの前に立ちはだかる女性ロレッタに扮する。
「ベン(・アフレック)に初めて会ったのは14歳のときだったの。まだ本当に女の子っていう時期よね」というファニングは、初めて本作の脚本を読んだときのことを「ものすごい衝撃を受けたの。いざ演じることになったらすごく難しいと思ったし、とても緊迫感のある体験になるとも思ったわ。でも同時に、自分はこの役には選ばれないだろうと思っていたの」と振り返る。ファニングが本作で演じたロレッタは、夢見がちなごく普通の少女だったが、ある壮絶な出来事を経験したことで人生観が変わり、伝道師として民衆を先導してジョーが推し進めるカジノの建設を阻止しようとする役どころ。卓越した演技力でロレッタの光と闇を演じきったファニングは「結果的には、この役は私が生まれて初めて演じた、単に子供とはいえない若い女性の役だったと思う」と考察する。
劇中でロレッタの見せ場となるのが、「セリフが3ページ以上もあった」という民衆への説教シーンだ。ロレッタがカリスマ性を発揮して人々の心をとらえ、現場に居合わせたジョーが影響力を目の当たりにする重要な局面となるが「滅茶苦茶緊張したわ(笑)。説教のシーンでは、エキストラも全員そこにいて撮影したの。だから本当にステージに立ったように感じたわ。舞台をやっているような感じだった。セリフも、事前にしっかりと勉強しておかないといけなかった。普通は撮影前夜に覚えるんだけど、これは覚えられない、しっかりと脳みそにたたき込んでおかなくてはいけないと思った」と大きな挑戦になったという。「でもベンはものすごく助けてくれた。彼は、私たちが最高の力を発揮できるような空間を作り出してくれる監督なの」とアフレックの雰囲気作りに感謝を述べる。
これまでに、アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ、デビッド・フィンチャー、ソフィア・コッポラ、J・J・エイブラムス、キャメロン・クロウ、フランシス・フォード・コッポラ、ニコラス・ウィンディング・レフン、マイク・ミルズといったそうそうたる監督たちと組んできたが「私はこれまで、監督であり、主演である人と1度も仕事をしたことがなかったの。だから今回ベンと初めてそれが体験できた。すごく面白かったわ」と新たな刺激を受けたようだ。
「驚いたのは、ベンは俳優として演じているときは、その他の俳優とまったく同じで、役になりきっていたこと。共演しているときに、彼が、監督の視点で私を見て、そこで何かの判断を下していると感じたことは1度もなかった。演技をしているときは彼も役になりきっていたから。演技をしているときに自分が感じているのと同じように、ベンが感じてくれているのが分かるの。それが他の監督とは違うところ。普通の監督は、俳優がそのシーンで何を感じているのか、正確には分かっていないと思う。俳優同士が、そのシーンで一緒に感じているつながりみたいなものは、俳優同士しか感じられない。でも、ベンはそのシーンに一緒にいるわけだから、最高なの。彼には、今のは本当によかったか、よくなかったかが、理解できるわけだから」と俳優兼監督ならではのアフレックの仕事ぶりに敬意を表した。
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