栗原類、グザビエ・ドラン最新作を分析「彼の辞書にハッピーエンドはない」
2017年3月2日 23:45

[映画.com ニュース] カナダの若き天才グザビエ・ドランが第69回カンヌ映画祭でグランプリを受賞した「たかが世界の終わり」の大ヒット記念トークショーが3月2日、東京・新宿武蔵野館で行われ、栗原類と、美術家でドラァグクイーンとしても活動するヴィヴィアン佐藤氏、映画評論家の森直人氏が出席。「トム・アット・ザ・ファーム」をきっかけにドラン作品のファンになった栗原。本作について「一番感じたのは『家族ってなんなんだろう?』ということ。伝統的なカナダ映画の系譜に位置する作品だと思う」と語っていた。
映画は、ギャスパー・ウリエルをはじめ、レア・セドゥー、バンサン・カッセル、マリオン・コティヤール、ナタリー・バイというフランスを代表する俳優陣が結集し、愛しているのに傷つけあう、ある家族の1日を切り取っている。最も印象的に残ったシーンを問われた栗原は、「やっぱりクライマックスシーン」と回答。「ドランの辞書にはハッピーエンドという言葉はない気がします。それに、まるでドキュメンタリーを見ているようでした」と独自の解釈を述べていた。
栗原の発言に同調した森氏は「ドランは連続性の中で作品をつくっている気がします。前の作品が、次の作品へとつながっている」と分析。「確かに『Mommy マミー』の終わりから連なっているイメージを抱きます。計算してるのかな?」と栗原が発言すると、佐藤氏は「例えば『わたしはロランス』はチャプターごとに一つの映画が成立するほどの密度。決して“閉じない”ですよね」と納得し、本作について「半径3メートルの世界を描いているのに、宇宙的な広がりを見せる」と絶賛していた。
家族という主題から本作をとらえた際、栗原は「家族は血がつながっている者同士、悩みをさらけ出せる存在」という印象ががらりと変わったという。「この映画ではぶつかり合い、嫉妬や葛藤が渦巻いている。でもこれは逆に家族ではないと出せない要素。マイナス的な感情をぶつけ合える存在こそ、家族というものなのかもしれない」と話していた。
27歳にしてカンヌ映画祭で戴冠したドランに対し、栗原らは「ちょっと飛ばしすぎ」と若き天才の快進撃に驚嘆。だが、栗原は「ラ・ラ・ランド」のデイミアン・チャゼルがアカデミー賞の最年少監督賞受賞記録を86年ぶりに塗り替えたことを引き合いに出し「このままの勢いでアカデミー賞でも史上最年少記録をまた塗り替えてほしい」と期待を込めていた。
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