詐欺にあった親友と婚約者の間で葛藤……監督が主演俳優の実話と明かす
2016年10月29日 14:50

[映画.com ニュース] 第29回東京国際映画祭日本映画スプラッシュ部門出品作「かぞくへ」が10月29日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズでワールドプレミア上映され、監督と脚本を兼ねた春本雄二郎、出演した松浦慎一郎、梅田誠弘、遠藤祐美、森本のぶがティーチインを行った。
映画は、結婚間近の男が家族同然に育った親友と、これから家族になる最愛の女性のどちらを守るべきかで苦悩する姿を描いた。ボクシングトレーナーとして生計を立てる旭は、長崎・五島列島の施設で兄弟同然に育った洋人に飲食関係の仕事を紹介するが、数カ月後にそれが詐欺だったことが発覚する。洋人を苦境に立たせたまま結婚式を挙げることに抵抗がある旭だったが、恋人の佳織は認知症を患う祖母のため一刻も早く挙式したいと願っていた。
観客がより感情移入できるように「身近に起こったことを映画の題材にしようと思っていた」という春本監督。「松浦さんに面白い話がないかと聞いたら、『僕、実は……』と始まりまして。この話は半分は松浦さんの実話に基づいています」と明かした。安藤サクラ主演の「百円の恋」(2014)でもボクシングトレーナー役を演じた松浦は、実生活でもトレーナーをしていたと明かし、「(ジムの)会員さんに、『飲食店をたくさん経営しているから漁師を紹介してくれ』と言われ、本当に紹介したら、ひどい奴だったんですよ……」と振り返っていた。
第29回東京国際映画祭は、11月3日まで東京・六本木ヒルズほかで開催。
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