百円の恋

劇場公開日:

百円の恋

解説

松田優作の出身地・山口県で開催されている周南映画祭で、2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」第1回グランプリを受賞した足立紳の脚本を、「イン・ザ・ヒーロー」の武正晴監督のメガホンで映画化。不器用でどん底の生活を送っていた女性が、ボクシングを通して変化していく姿を描いた。実家でひきこもり生活を送る32歳の一子は、離婚して出戻ってきた妹とケンカしてしまい、やけになって一人暮らしを始める。100円ショップで深夜勤務の職にありついた一子は、その帰り道に通るボクシングジムで寡黙に練習を続ける中年ボクサーの狩野と出会い、恋をする。しかし幸せも長くは続かず、そんな日々の中で一子は自らもボクシングを始める。14年・第27回東京国際映画祭の日本映画スプラッシュ部門で作品賞を受賞。米アカデミー賞の外国語映画賞日本代表作品に選出されるなど高い評価を受け、第39回日本アカデミー賞では最優秀主演女優賞、最優秀脚本賞を受賞。

2014年製作/113分/R15+/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
劇場公開日:2014年12月20日

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

受賞歴

第39回 日本アカデミー賞(2016年)

受賞

優秀脚本賞 足立紳
優秀主演女優賞 安藤サクラ

ノミネート

優秀作品賞  
優秀監督賞 武正晴
優秀助演男優賞 新井浩文
詳細情報を表示

インタビュー

関連ニュース

関連ニュースをもっと読む

フォトギャラリー

  • 画像1
  • 画像2
  • 画像3
  • 画像4
  • 画像5
  • 画像6
  • 画像7
  • 画像8
  • 画像9
  • 画像10
  • 画像11

(C)2014 東映ビデオ

映画レビュー

4.0やられた、、、。

2017年4月4日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

幸せ

崇高で、尊くて、純な映画。
冒頭からはよもや想像だにできない「熱さ」。

鍛えることによって自分が変わっていく、高まっていく過程の素晴らしさ、楽しさを観ている側に喚起させてくれる。ボクシングしたくなる。ストイックに憧れる。

主演の安藤の演技には鳥肌がたった。
ボクシング姿がかっこよすぎる。最後の方のシャドーなんてプロの動き!経験者なのか?
このGAPは本当に演じて表現できるものなのか?
冒頭の体掻きながらTVゲームしている人間とはまったくの別人でないか!(冒頭と終盤にTVゲームしているシーンが同じようにある。後姿の肉つきを比較するとおもしろい)短期間の撮影期間で本当にこれだけ変わったのなら、安藤は演技の化け物だ。

元気のない父親の台詞が今の自分の心にささる。
「(自分みたいに)齢くってから、自分に自信がないというのは惨めだからな。」

このヒロインのように何かに正面から挑んでみようと思う。

※ところどころで最高の音響で入る音楽もよかった。

コメントする (0件)
共感した! 3件)
momokichi

1.5自信と挫折の繰り返しこそ人生の機微だと謳ってるはずなのになあ

2015年6月21日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

難しい

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 11件)
しんざん

4.0圧巻の演技、よくできた脚本、そして、うまいタイトル

2024年7月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

興奮

安藤サクラの高い演技力を示す映画。冒頭のだらけきった生活をするところなど、みっともない姿を演じきって、リアルに「ひどい女だな」と思わせる。一方で後半のシャドーボクシングの素早い動きや相手をにらみつける表情なども見事に演じて、「なかなかやるな」と思わせつつ、その変化に違和感がない。1本の映画で幅の広い演技を見せる安藤サクラはさすが。

「恋」という言葉がタイトルに入っているけど、普通の恋愛とはまったく違う。相手を「すてきな人」と感じさせる場面はなく、むしろ突き放すような態度をされる。それでも「近くに居たいという気持ちがある」という関係。それを「こういうこともあるかも」と思わせる、よくできた脚本だと思う。

「百円の」という表現は、安っぽくて価値が低いということだろう。「すてきな人と出会って好きになる」という理想とは違うという意味で、うまいタイトルだと思った。

ずっと負けてばかりで、お金にも苦労し、バカにされることの多い人生だけど、「見返してやる」という反発心はあるというのは共感する。応援したくなるし、ボクシングシーンは力が入る。主人公の周りの人もひと癖ある人ばかりで、感じの悪い場面も描かれる。そういう庶民の出来事を「人生いろいろある。しょうがない」という感じが出ていて「落語のような味わい」も感じた。

「YOLO 百元の恋」という中国版のリメークが封切りされて、その映画評を読んで面白そうと思ったけど、上映している映画館が少なかった。というわけで、先ずは元ネタのこの映画をAmazonのレンタルで見た。

コメントする (0件)
共感した! 1件)
p.f.naga

4.5八円の愛はどこに

2024年7月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

ずっと気になっていた作品。
Amazonで解禁されていたので視聴。

◾️映画全体の感想
とんでもなく自堕落な一子が恋をきっかけに、男とボクシングを通じて、自分の「痛さ」と向き合い、決別し、少し大人になる映画。
ストーリー面は、難解な表現はなく、何も考えなくても内容が分かる映画でした。
しかし、一子のちょっとした台詞や涙の意味、100円の持つ意味など、繊細な心理描写があり、邦画っていいなぁて思いました。

一見、一子のサクセスストーリーなのかと思いきや、ボクシングは相手に圧倒されて負けるところが良いと思いました。
そりゃ、そんな簡単には勝てないよなぁ
百円なりの人生だもん、全部は上手くいかない。
恋も人生も諦めていたけど、本気で向き合ったから、「悔しい」、「勝ちたい」の気持ちが生まれて、少し前に進めたのだと思いました。

とりあえず、安藤さくらの体型の変化とボクシングの動きは、俳優としての本気を感じました。
この作品の安藤さくらが1番好きになりました。

◾️印象的だったシーン
百円ショップで働きクビになり、百円のバナナを買う狩野に恋をして簡単に捨てられる。
取って付けたみたいに見つけた居場所は百円なりの場所ですぐに無くなってしまうように感じました。
一子の言う「百円程度の人生」だから、百円で恋をして、ボクシングに出会い、生き方が変わり、捨て身になって、過去の自分に打ち勝って、人生変えたいと思ったのかなと思いました。

ボクシングに負けて、号泣するシーンは印象的でした。狩野に抱かれた時に流した涙とは違う涙なんだなと。
そしてそこから流れるクリープハイプの「百八円の恋」は最高に鳥肌ものでした。

◾️ボクシング
一子は、試合中は憎しみあって殴り合いをしていても、試合が終わったらノーサイドで抱き合うところに惹かれ、ボクシングを始める。
序盤で姉と喧嘩する場面の一子のパンチと、終盤のボクシングでの一子のパンチは意味合いは大きく変わる。
映画を観ながら、そんな風に思いました。

◾️八円の愛はどこに?
本作の主題歌のクリープハイプの「百八円の恋」は最高に良かったです。
こんなに映画を代弁する曲なかなかない笑
歌詞の「百円の恋に八円の愛」とありますが、一子はこれから八円の愛を見つけていくんでしょうか〜〜?

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ちん