西川美和監督、最新作「永い言い訳」主演の本木雅弘に薦めた映画とは?
2016年10月1日 15:30
[映画.com ニュース] 最新作「永い言い訳」の公開を控える西川美和監督が、CS映画専門チャンネル「ムービープラス」で放送中のオリジナル番組「この映画が観たい」に出演。同作で主演を務める本木雅弘が泣くシーンに悩んでいた際、シドニー・ルメット監督の「旅立ちの時」(1988)を薦めたエピソードを語った。
「些細な日常や幸せを描くのがうまく、人間を見つめる温かさとドライさがある。この先も一番尊敬する監督」とルメット監督への思いは格別。今は亡きリバー・フェニックスがアカデミー賞助演男優賞候補になった作品で、「彼が演じる主人公、指名手配犯の父親、それにおじいちゃんがそれぞれ涙を見せるシーンがあり、皆が『これぞお芝居』という豊かな感情表現をしている。涙がただの液体ではないお手本」と絶賛する。「ちょうど本木さんが泣くシーンに悩んでいて『男が泣くいい作品、ありますか?』とおっしゃったので、この作品を紹介しました」(西川監督)
ゲストのかけがえのない“映画体験”と、それにまつわる人生エピソードを語る同番組。西川監督は「旅立ちの時」をはじめ、「クレイマー、クレイマー」(80)、「オースティン・パワーズ」(97)、「オアシス」(2002)、本年度のアカデミー賞で作品賞と脚本賞に輝いた「スポットライト 世紀のスクープ」(2015)を紹介している。
「こんな映画が撮れたら引退する」と断言するのは、名優のダスティン・ホフマンとメリル・ストリープが共演する「クレイマー、クレイマー」。今でも2~3年に1度は見ているといい「力がある俳優でなければ成立しないし、作品全体に品性がある。大仕掛けがない題材でもきちんと映画になっていて、日本で映画を撮る私には勇気になる」と賛辞を惜しまない。
韓国映画「オアシス」を手がけるイ・チャンドン監督は、「アジアの監督にとって、特別な存在であり、宝だと思う」だと西川監督。一方、おバカコメディの代名詞ともいえる「オースティン・パワーズ」については、「人を泣かせるより、笑わせる方が難しい。なかなかうまくいかないし、自分ではできないことが詰まっているから好きですね。悔しいような、うらやましいような(笑)」と映画監督らしい目線で魅力を語った。
新聞記者たちがカトリック教会のスキャンダルを暴いた実話を描いた「スポットライト 世紀のスクープ」は、「地味だが丁寧さを感じる、良きアメリカ映画。シンプルに何かに立ち向かう人々の信念をいい形で映画化にしているし、この作品にアカデミー賞が与えられたのもすばらしいこと」。これまでは、自身が手がけるオリジナル脚本を映画化してきたが「実話をモチーフにした作品には興味があるし、いつか挑んでみたい」と新境地への意欲も垣間見せていた。
最新作「永い言い訳」は第153回直木賞候補にもなった自著の映画化で、不倫中に妻が事故死した知らせを受けた人気作家・衣笠幸夫(本木)が、妻とともに死んだ親友の遺族らと交流する姿を描く。9月8日(現地時間)にカナダで開幕した第41回トロント国際映画祭のスペシャル・プレゼンテーション部門に出品された。
「この映画が観たい西川美和のオールタイム・ベスト」は、10月3日午後11時からムービープラスで初回放送予定。
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