黒沢清監督、トロント映画祭「ダゲレオタイプの女」プレミア満席&サイン攻めに感無量!
2016年9月13日 19:30

[映画.com ニュース] 「岸辺の旅」「クリーピー 偽りの隣人」と話題作が続く黒沢清監督が海外初進出を果たした「ダゲレオタイプの女」が9月11日(現地時間)、カナダ・トロントで開催中の第41回トロント国際映画祭プラットフォーム部門でプレミア上映され、黒沢監督と出演者のタハール・ラヒム、コンスタンス・ルソーが舞台挨拶を行った。
本作は、黒沢監督が、オール外国人キャスト、全編フランス語で撮りあげたフランス・ベルギー・日本の合作。世界最古の撮影技法「ダゲレオタイプ」を題材に、写真家ステファン(オリビエ・グルメ)と娘のマリー(ルソー)、ステファンのアシスタント・ジャン(ラヒム)を中心にした愛憎物語が展開する。本作が正式出品されたプラットフォーム部門は、昨年行われた第40回から新設された、同映画祭唯一の賞対象部門。世界で注目される映画監督の作品をセレクトし、芸術性が高く刺激的なラインナップを紹介することを目的としている。
会場となったウィンター・ガーデン・シアターの1000席弱の客席は2階席まで埋め尽くされた。アーティスティック・ディレクターのキャメロン・ベイリーが黒沢監督の過去作品を紹介すると歓声が上がったほか、上映終了後にはラヒム、ルソーと共に観客からサイン攻めにあうなど、世界的な人気ぶりを見せつけた。
ブライアン・デ・パルマ監督、チャン・ツィイーといった審査員が見守るなか、黒沢監督は「初めて海外で撮った作品が、大好きなトロント映画祭でワールドプレミアを迎えることができ、なおかつ、このような歴史のある劇場で上映できるとは本当に夢のようです」と感無量の面持ちで挨拶。「主役のキャストは、日本にいるときからタハール・ラヒムとコンスタンス・ルソーしかいないと思っていました。合計50人ほどの男優・女優にも会いましたが、やはりこの2人しかいないと思って決めました」と出演者への信頼を語ったほか、「(舞台となる)屋敷のロケーションは、パリ郊外で非常に苦労して探しました。結果的には3つの場所を組み合わせています」と舞台裏を明かした。
「預言者」「サンバ」で知られる実力派ラヒムは「黒沢監督は明確なビジョンがあり、なおかつ役者に対して非常に敬意を持って接してくれる素晴らしい監督です」と最敬礼。「女っ気なし」にも出演している注目女優のルソーは、長時間体を拘束されるダゲレオタイプの撮影を振り返り「本当のダゲレオタイプの写真撮影ではありませんでしたが、8分ほどまったく動かずに撮影しなければなりませんでした。あの8分間は、自分の人生の中で最も長い8分間でした」と語った。
第41回トロント国際映画祭は、9月18日まで開催。「ダゲレオタイプの女」は、10月15日から全国公開。
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