「エクス・マキナ」アリシア・ビカンダーが明かすA.I.ロボットの演じ方!長尺インタビュー映像公開
2016年6月10日 19:30
[映画.com ニュース] 「リリーのすべて」(2015)のオスカー女優アリシア・ビカンダーが、最新鋭のA.I.ロボット・エヴァを演じたSFスリラー「エクス・マキナ」について語る11分超のインタビュー映像が公開された。
世界最大のIT企業“ブルーブック”のプログラマー・ケイレブ(ドーナル・グリーソン)は、巨万の富を築きながらも普段は滅多に姿を現さない社長のネイサン(オスカー・アイザック)が所有する、山間の別荘に1週間滞在するチャンスを得る。別荘に到着したケイレブを待っていたのは、エヴァに搭載された人工知能のテストに協力するという実験だった。「28日後...」(02)、「わたしを離さないで」(10)などの脚本を手がけたアレックス・ガーランドが監督デビューを飾り、第88回アカデミー賞で視覚効果賞を受賞した。
ビカンダーは、A.I.ロボットいうこれまでにない役どころについて「この役を演じるのがとても楽しみだったわ」と振り返る。「脚本を読んで魅了されたの。セリフの行間に意味がある奥が深い脚本で、作家の意図がすべて会話に込められている。演技の指示などはごくわずかだったわ。エヴァの詳しい描写はほとんどなかったし、外見や表現の仕方は書かれてなかった。だから白紙の状態から始める機会を与えられて、彼女が何者かを自分で考えたわ」とガーランド監督の手腕を称えながら、俳優としてチャレンジする余白があったと語る。
脚本だけではなく「人間の体や心脳の働きに関する本」を数多く読み、作品世界への理解を深めていった。「脚本を読み始めたころ、ちょうど日本に関するある記事を見つけたの。人型のロボットが既に開発されたと知って、怖いと思ったわ。いつか機械が人間を超える日が来るかもしれないのよ。そこでその恐怖とは何なのかを考え、この作品の撮影中にたくさんの本を読んだわ。脳の働きを電子レベルで分析してみると、感情とは何かという疑問に行きつく。それはただの電気信号なのかって。この映画で描かれてるのは、自由になりたいという人間的な感情よ」。
ガーランド監督とも話し合いを重ね、機械と人間性のバランスに気を配った。「どこまで機械っぽく演じればいいのか、どれくらい人間らしさを出せばいいのか、突き詰めるとある疑問にぶつかる。人間とは何か、何をもって人間でないとするか、言葉以外でどう伝えるか、声や動きなのか外見なのかとね。映画の冒頭ではエヴァを人間らしく見せようとした。そして徐々に異質な感じを与えていき、観客やケイレブに疑問を持たせるようにした」と意図を明かす。
近未来的かつ洗練されたデザインのエヴァの特殊メイクは、3時間半から4時間半もかかったという。「でもおかしなことに、スタジオにいると自分の格好を忘れてしまう。あるときは食堂で周りの人にじろじろ見られて、頭の特殊メイクをしたままだと気づいた。でも撮影の時は、ガラスの壁に囲まれていた。そこに自分が映るたびに、奇妙な姿をしてることに気づくの。自分が今エヴァに扮してることを意識するのに役立ったわ」。映像ではそのほか、共演したグリーソンとアイザックについて語っている。
「エクス・マキナ」は、6月11日から全国公開。
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