「海よりもまだ深く」に大喝采 カンヌ初参加の阿部寛は感無量の面持ち
2016年5月20日 13:40

[映画.com ニュース]カンヌ映画祭で現地時間の5月18日(現地時間)、是枝裕和の「海よりもまだ深く」(5月21日公開)がある視点部門で上映され、会場がスタンディングオベーションに包まれた。是枝監督とともにカンヌ入りしたキャストの阿部寛、真木よう子、樹木希林のなかで、カンヌ初参加となる阿部はとりわけ感無量の表情で喝采を浴びていた。
阿部は上映の感想を、「終わったあとのとても温かい観客の表情から反響が伝わってきましたし、是枝さんがとても愛されているのだと感じました。レッドカーペットの広さ、大きさを見て、ついにカンヌに来ることができたんだと実感できた」と語った。真木は「予想を超えた温かいリアクションだったので、とてもうれしいです」とコメント。昨年の「あん」に引き続き2年連続カンヌに参加となった樹木は、「終わったあと、ありがとうと日本語で話しかけられました」と笑顔で語った。

すでにカンヌの常連である是枝監督は、「カンヌはすべてに対して厳しいところ。これほど映画が愛されて、拍手とブーイングが交差するところはないと思います。そんな場所に作品を持ってこられることを、とても誇りに思いますし、それに耐えられる作品を作っていかなければという気持ちにさせられます」と胸の内を明かした。
本作は監督自身が19年暮らしていた東京、清瀬市の団地を舞台にした家族のドラマ。ユーモアを込めた、よく練られたセリフや繊細な演出が、登場人物の心情を表し、是枝映画ならではの優しさに満ちた映画となった。会場にはたびたび笑いも起こり、言語や習慣の違いを超えて海外の人々にも伝わっていることを実感させられた。
翌19日には、コンペティションの注目作のひとつである、グザビエ・ドランが戯曲を脚色した「It’s Only the End of the World」が公開され、評価が賛否に分かれた。12年来家族と疎遠になっていた小説家が、実家に戻ってくる。彼には打ち明けるべき秘密があったものの、家族の心はばらばらで、互いにいがみ合い、とても深刻な話しできるような雰囲気にならない。こちらも家族をテーマにしながら、是枝作品とは対照的な家族像や、感情表現の激しさが印象的だ。主人公にギャスパー・ウリエルが扮する他、マリオン・コティヤール、レア・セドゥー、バンサン・カッセルら、フランスのオールスターキャストがそろう。ドランらしい映像へのこだわりは見受けられるが、その過剰でやかましい表現がいささか息苦しさを感じさせ、見る者の好みに委ねられる結果となった。(佐藤久理子)
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