第69回カンヌ映画祭、ウッディ・アレン新作「カフェ・ソサエティ」で開幕!
2016年5月12日 12:00
[映画.com ニュース]第69回カンヌ国際映画祭が5月11日(現地時間)、オープニング作品に選ばれたウッディ・アレンの新作、「カフェ・ソサエティ」(アウト・オブ・コンペティション)のプレミアとともに開幕した。レッドカーペットには、アレンを囲んで主演のクリステン・スチュワートとジェシー・アイゼンバーグ、ブレイク・ライブリー、アレンと初タッグを組んだ撮影監督のビットリオ・ストラーロが顔を揃えた。
1930年代のハリウッドを舞台にした本作は、著名なプロデューサーの甥が、叔父の愛人の秘書と、それとは知らずに三角関係に陥るビタースウィートなコメディ。ロマンティックかつメランコリックな物語が、ストラーロによるきらびやかでムーディな映像によって語られる。
1930年代の進歩的なヒロインという新しい役どころに挑戦したスチュワートは、上映に先立って行われた記者会見で、オーディションを受けてこの役を得たことを明かし、「最初はアレンワールドにフィットできるか不安で、自分なりに完璧にセリフを覚えたり、ふだんやらない準備をしたけれど、一旦撮影が始まったらとても快適で、ナチュラルに演じることができた。まったく自分とは異なる人間というわけでもなくて、たぶんウディは、これまでわたしも知らなかった新しい一面をわたしの中から発掘してくれたのかも。それは俳優が監督ともてるベストな関係だと思う」と語った。アレンはそれを受けて、「彼女はこの役にパーフェクトな人物だと思った。キュートで魅力的な秘書が自分なりのやり方で人生を変えていく、そういう変化をエレガントに表現してくれると確信した。彼女と仕事ができたのはとてもラッキーだったよ」と語った。スチュワートは今回、オリビエ・アサイヤスのコンペ参加作品「Personal Shopper」にも主演している。
今年のコンペティションは、あとから追加になったアスガー・ファルハディの「The Salesman」を含め計21本。そのうち2時間越えの長尺が12本。ペドロ・アルモドバル、ケン・ローチ、ダルデンヌ兄弟といった常連に加え、コンペ参加は2回目となるグザビエ・ドラン、初参加のポール・バーホーベンとドイツの新鋭として注目を集めるマーレン・アーデ、シャイア・ラブーフを起用したイギリスのアンドレア・アーノルド、ショーン・ペンがアフリカを舞台に撮ったポリティカルな監督作などが並ぶ。またジム・ジャームッシュは、コンペにアダム・ドライバー主演のフィクションと、ミッドナイト上映枠で伝説のロック・バンド、ザ・ストゥージズに関するドキュメンタリーの、2作品を披露する。日本から、是枝裕和の「海よりもまだ深く」と深田晃司の「淵に立つ」、またスタジオジブリが合作のオランダのアニメ「The Red Turtle」が参加するある視点部門は、デビッド・マッケンジーが追加になり計18本。
アウト・オブ・コンペでは、スティーブン・スピルバーグやジョージ・クルーニーがラップダンスを披露する(?)ジョディ・フォスター監督作などもあり、今年は華やかなスターによるお祭り的な面と、作家重視のクオリティ的な面とのバランスがとれた映画祭というイメージだ。
コンペの審査員長であるジョージ・ミラーは、記者会見で授賞の傾向について尋ねられると、審査員メンバーのディスカッションを重ねた民主的な選択になるだろうと発言。またグローバリゼーションの時代のなかで、インディビジュアルなカルチャーを見るのは興味深いことだと、映画のナショナリティにも自然に注目が向けられる旨を明かした。映画祭は22日の授賞式を経て、23日まで開催される。(佐藤久理子)
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