カフェ・ソサエティ
劇場公開日 2017年5月5日
解説
ウッディ・アレン監督が1930年代ハリウッド黄金時代を背景に、きらびやかな社交界(カフェ・ソサエティ)に身を置くことになった青年の恋や人生を描いたロマンティックコメディ。映画業界で働くことを夢見るニューヨーク生まれの青年ボビーは、業界の有力者である叔父フィルを頼ってハリウッドにやってくる。フィルの秘書を務める美女ヴォニーに心を奪われたボビーは、映画スターやセレブリティを相手に、フィルの下で働きながらヴォニーと親密になっていくが、彼女には思いがけない恋人の存在があった。「ローマでアモーレ」でもアレン監督と組んだジェシー・アイゼンバーグが主演を務め、「トワイライト」シリーズのクリステン・スチュワート、テレビドラマ「ゴシップガール」のブレイク・ライブリー、「マネー・ショート 華麗なる大逆転」のスティーブ・カレルらが共演。アレン監督が自らナレーションを務める。女優陣が着こなすシャネルなどの華やかな衣装にも注目。
2016年製作/96分/G/アメリカ
原題:Cafe Society
配給:ロングライド
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2017年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
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夢見た通りにいかない人生を、決して否定することなく、取返しのつかない後悔さえも肯定するようなラストに震えた。ウディ・アレンは、わりとハッピーエンドでも皮肉なラストでもどっちでも構わないと言いたげな境地にいる作家だと思うが、時たま、本作のようにラストが一番ものを言うような映画を作る。『カイロの紫のバラ』しかり『ギター弾きの恋』しかり『ブルー・ジャスミン』しかり。どっちのアレンも好きだが、ラストにすべてが集約される凄味があるこっちのタイプはほぼ間違いなく傑作に仕上がっていて、当然ながら近年のアレン映画でも指折りの傑作だと思っている。
2017年5月8日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
日本の観客のほとんどが映像でしか知らない、1930年代のハリウッドとニューヨークを華やかに再現。古色の画面がノスタルジアを誘う。若手演技派を配し、甘く切なくやるせない恋愛模様を中心に描く。不倫やギャングの話もはさみつつ、軽やかに流して暗くしすぎない。屈折したインテリの登場人物による皮肉満載の長台詞もない。ウディ・アレン監督のテイストは確かにあるが、全体的にあっさりテイストの味付けを思わせる。
ウディ・アレン監督の作品を全然またはほとんど知らないという若い観客層にとって、アレン監督の入門作によさそう。逆に、往年のアレン好きにとっては物足りないか。
秘書役のクリステン・スチュワートは、1週後に公開の「パーソナル・ショッパー」でもセレブの裏方として働く役。フェミニン全開のヒロインよりも、派手な世界を裏で支える中性的ないしマニッシュなキャラクターに向いているのかもしれない。
2020年11月12日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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映像、色が当時の映画のように撮影している。叔父を取った昔の恋人に互いに未練がありつつも、現状の人生にも満足して終わるラスト。何とも言えないウッディ・アレンらしい。
2020年10月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
ウッディ・アレンの作品は個人的に好きなものとそうでないものとの差が激しいのだが、今作は良かった。
昔と変わってしまうことに何だか寂しい思いがありつつ、相手も自分も変わっていく。それは仕方のないこと。
自分や相手に対して夢を見続けることはあっても、いつかは終わる。夢はずっと続くわけじゃない。だからこそ夢は夢のまま置いておいたら良いのかもしれない。そういう意味で今作の結末は良かったのではないか。
それにしても年が変わると過去を忘れて新たな気分で前に進む感じがするのは不思議なものだ。
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