ファスビンダー幻のSF「あやつり糸の世界」 スコセッシの右腕撮影監督ミヒャエル・バルハウスに聞く

2016年3月4日 17:00

ミヒャエル・バルハウス
ミヒャエル・バルハウス

[映画.com ニュース]第66回ベルリン国際映画祭で名誉金熊賞を受賞し、マーティン・スコセッシ監督の右腕として、「ディパーテッド」「グッドフェローズ」「ギャング・オブ・ニューヨーク」などを手がけたことで知られる撮影監督ミヒャエル・バルハウス。20代でテレビカメラマンからキャリアをスタートさせたバルハウスの名が知られるようになったのは、ライナー・ベルナー・ファスビンダー監督との作品だった。このほど、ファスビンダー幻のSF作品といわれる「あやつり糸の世界」の公開にあたり、当時の現場を振り返った。

ファスビンダーとは、10数本の映画撮影を共にした。「彼は映像についていつも厳密なイメージを持っていた。『どうやったらいいと思う?』と聞かれることがあったが、それは彼の方がいいアイデアを持っている時だった。彼は映像について明確な考えを持ち、映像を使って物語を語ろうとする監督だった」

映画はダニエル・F・ガロイの小説「模造世界」を原作とし、バーチャルリアリティによる多層世界を通し、人間の根源的な意識や感情についての表出の可能性を探った。SF小説の映画化というファスビンダーにとっては珍しい試みについて、「ファスビンダーはいわゆる現実と違っていて、何か挑んでくるようなものなら何でも興味を持っていた。だからわざわざSF小説を必要とはしていなかったが、今回は特に刺激を受けたのだろう」と分析する。

劇中では、「第三の男」や「上海から来た女」など映画の引用が確認できる。「まったくそんな話はしなかったが、もちろん引用だと分かる場合もあった。ファスビンダーに初めて会ったのは1970年だったが、私より10歳若いのにすでに2000本以上の映画を見ており、16歳の頃には毎日映画館に通っていたのだ。しかもそれらの映画を頭の中に貯めこんでいた。だからその記憶が演出として形になるのだろう。それは珍しいことではない。スコセッシ監督もそうだった」

43年前に撮られた「あやつり糸の世界」を再び見直し、この映画の持つ意味に初めて気づかされたと明かす。「何てことだ、当時の技術的可能性を駆使してやったことがこれほど素晴らしいとは! 今日の技術でもこれとは違ったものがどこまで作れるか疑問だ。おそらくデジタル技術を用いてもこれほど良いものは作れないだろう」とその完成度の高さに太鼓判を押している。

あやつり糸の世界」は3月5日、ユーロスペースほか全国順次公開。

(映画.com速報)

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