オダギリジョー主演「オーバー・フェンス」函館の空気感が伝わる超特報で本編映像初披露
2016年1月28日 17:00
原作は、熊切和嘉監督の「海炭市叙景」、呉美保監督の「そこのみにて光輝く」の原作でも知られる作家の佐藤泰志さんによる同名小説で、前述2作とあわせて「函館3部作」と位置づけられている。佐藤さんが生前、執筆活動を諦めかけた頃、函館の職業訓練校で送った自身の経験を基に執筆した一作で、生涯で5度、芥川賞候補となりながらも、受賞することはかなわかった佐藤さんの最後の候補作となった小説だ。
家庭をかえりみなかった男・白岩は妻に見限られ、東京から故郷の函館に戻るが、実家には顔を出さず職業訓練校に通いながら失業保険で暮らしていた。そんなある日、同じ職業訓練校に通う仲間の代島にキャバクラへ連れて行かれ、そこで鳥の動きを真似る風変りな若いホステスの聡と出会う。どこか危うさを持つ美しい聡に、白岩は強くひかれていく。
公開された超特報は15秒間の短い映像だが、これが本編映像の初披露となる。男たちの気怠さと乾いた空気が漂う職業訓練校のワンシーンから始まり、函館の短い夏、オダギリ扮する主人公の白岩が路面電車を横目に職業訓練校へ自転車で通う後ろ姿、フェンスの先を物憂げに何かを見つめる表情、そして赤い車の運転席から照れ笑いを浮かべる聡役の蒼井、色気ある佇まいでタバコをくゆらせる松田の姿が続けて登場する。
「そこのみにて光輝く」でも音楽を担当した田中拓人による独特の音楽が冒頭から流れ、函館の空気感が映像から伝わる。9月、テアトル新宿ほか全国で公開。
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