黒木華、どこまでも謙虚に見据える2016年
2016年1月1日 09:00
[映画.com ニュース] 日本映画界で引っ張りだこの存在にある女優・黒木華が2016年、さらなる飛躍を遂げようとしている。昨年は出演映画7本(うち2本はアニメ)が公開され、ドラマ「天皇の料理番」での好演も話題を呼んだ。今年は、岩井俊二監督の最新作にして映画単独初主演作「リップヴァンウィンクルの花嫁」、渡辺謙作監督作「エミアビのはじまりとはじまり」が公開を控え、舞台「書く女」に主演、NHK大河ドラマ「真田丸」の放送も始まる。そんな黒木が充実した15年を振り返るとともに、これからの1年の抱負を語った。
黒木は高校演劇で腕を磨き、大学在学中の09年に野田秀樹の演劇ワークショップに参加し、10年のNODA・MAP番外公演「表に出ろいっ!」でデビューしている。それだけに、映画業界からのラブコールは意外だったようで「もともと高校演劇をやっていたので舞台の方が違和感はないんです。映画は好きですが見る方の専門で、自分が出るところを想像したことがなかったんです。最近になってようやく映像の楽しさが分かってきましたが、最初は大丈夫かな? と思っていました」と明かす。
本格的な銀幕デビューは、11年の「東京オアシス」。山田洋次監督作「小さいおうち」では、第64回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(最優秀女優賞)を戴冠している。その後も表現力に磨きをかけ、昨年2月に公開された本広克行監督作「幕が上がる」では高校演劇部の顧問役として出演し、主演した「ももいろクローバーZ」の5人をけん引。唯一無二の存在感で作品に大きなインパクトを与え、多くの映画評論家を唸らせた。
三谷幸喜が脚本を手がける大河ドラマ「真田丸」は既にクランクインしているが、「やはりドラマは(進行が)早いですね。1日に何シーンも撮るなかで、カメラの前に立ってからOKが出るまでの時間がすごく限られているので、出来るだけ付いていけるように頑張っています」と穏やかな笑みを浮かべる。
3月14日で26歳になる。どんな1年にしたいか問うと、「色んな方とお仕事ができれば幸せだなと思います。英語をもうちょっと勉強したいなというのは、自分の中でテーマとしてあります。海外の演出家さんとお仕事をしてみたいですし、映画にも出てみたいので」と言葉を選びながら、真摯に語る。どこまでも謙虚だが、演じることに関しては貪欲だ。「中島哲也監督の作品はすごく好きなので出てみたいです。大根仁監督も大好きですし、大森立嗣監督の『ぼっちゃん』は本当に素敵な作品でした。あと、福田雄一監督にお仕事してみたいってことをムロツヨシさんが伝えてくださったみたいで、『本当に?』っておっしゃってくださいました(笑)。とにかく声をかけていただけるならば、どなたの作品にも! という気持ちです」。今年も黒木の活躍から目が離せそうにない。