黒沢清監督、「クリーピー」西島秀俊&香川照之の共演に感動「一度やってみたかった」
2015年12月4日 07:00

[映画.com ニュース]西島秀俊と香川照之が共演した黒沢清監督作「クリーピー」の撮影現場が報道陣に公開され、黒沢監督が東京都郊外のロケ地で取材に応じた。西島と香川は、ともに4度目の黒沢組への参加となったが、そろって出演するのは初めて。黒沢監督は「一度この2人でやってみたかった」と感慨深げで、「僕の映画に香川さんと西島さんがそろって、ドーンと画面に映ってくれているのを目の当たりにして、それだけで個人的に感動しました」としみじみと語った。
今作は、前川裕氏の第15回日本ミステリー文学大賞新人賞受賞作を映画化。元刑事の犯罪心理学者・高倉(西島)は、6年前に発生した一家失踪事件の分析を依頼されるが、核心に近づけずにいた。一方、高倉と妻・康子(竹内結子)は、転居した先で西野(香川)という隣人と出会う。奇行の目立つ隣人に違和感を抱きながらも暮らしていたある日、西野の娘・澪(藤野涼子)が衝撃の事実を告白する。
この日の撮影は、帰宅した高倉が玄関先で澪から「あの人、お父さんじゃありません」と打ち明けられるシーン。突然のことに戸惑う高倉だが、その直後、西野が康子とともに姿を現す。脱走した飼い犬を、西野が見つけてくれたと感謝する康子。その様子に高倉が目を見張るなか、西野は澪にじゃれつきながら自宅に引き上げていく。隣人一家の異様な関係性が示唆され、不穏な空気が物語を覆い始める分岐点だ。
「LOFT ロフト」以来、約10年ぶりのタッグとなった西島について、黒沢監督は「すごい人気なんで、びっくりしちゃいますよねえ」と称賛し、「西島さんに会うなり言ったことですが、これまで役所広司さんにお願いしていたような役が、西島さんにお願いできる年になったねと。役所さんと刑事ものを何本もやりましたが、その年齢にさしかかったんだなと」と目を細める。そして、不気味な存在感を放つ西野を怪演した香川を「底知れない、でも泥臭い日常性も帯びている分厚い俳優というと、香川さんの右に出る人はいない」と語った。
西島と香川は「MOZU」シリーズやドラマ「流星ワゴン」などで共演し、そのたびに重厚な演技合戦を繰り広げてきた。それだけに、黒沢監督は「呼吸がぴったり合っているので、僕がどうこう口をはさむこともなかった」と現場を振り返り、「良い感じの緊張感のある2人の対決、お互いの心の中を読みあう奇妙な間が、とても感動的でしたね」と明かしていた。
「クリーピー」は、黒沢監督と弟子の池田千尋が共同脚本を手がけ、川口春奈、東出昌大らが共演している。2016年6月に公開。
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