町山智浩氏、「アパートの鍵貸します」テーマにB・ワイルダー論展開「コメディの中に暗さあった」
2015年9月13日 22:30

[映画.com ニュース] 映画評論家の町山智浩氏が9月13日、「第三回新・午前十時の映画祭」の特別企画として、1960年の米映画「アパートの鍵貸します」をテーマにした「20世紀名作映画講座」を東京・TOHOシネマズ日本橋で開いた。
アカデミー賞で作品賞など5部門を制した名匠ビリー・ワイルダー監督の傑作。町山氏は見終わったばかりの観客から質問を募った上で、主演のジャック・レモンが務める保険会社の広いオフィスのシーンに関して、「あれが最も重要なシーンで、その後の映画に影響を与えた革新的な技術が使われている」と評した。
一方で、59年に起きたキューバ革命など当時の時代性を取り入れていることを指摘。加えて、「当時のアメリカ映画が自主規制していた、婚外交渉と自殺に大きく抵触していた。それをうまくいじって壊していた人なんですね。彼はタブーをコメディの中に入れることによって人気を得た監督」と解説した。
そして、「昼下りの情事」や「お熱いのがお好き」といった他の代表作も含め「ワイルダーは基本、セックス・コメディーばかり撮っていて、この作品も公開された時は批評家からボロクソに叩かれた」と説明。その上で、「非人間性が裏テーマのひとつで、コメディの中にも暗さがあるのが特徴」と解説した。
その背景には、ワイルダーがオーストリア・ハンガリー帝国領(現ポーランド)生まれのユダヤ人で、母親をアウシュビッツで殺された経験があるため「人間に対する絶望があった」と分析。ワイルダーを敬愛する監督として米のキャメロン・クロウや日本の三谷幸喜の名を挙げ、作風を継承していることを認めつつも「2人は、なぜそのダークな部分を見ないんだろうと思う」と首をかしげていた。
「アパートの鍵貸します」は、「新・午前十時の映画祭」でグループA(TOHOシネマズ新宿など)で12月26日~来年1月1日、グループB(TOHOシネマズ日本橋など)で1月2~8日にそれぞれ上映される。
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