アパートの鍵貸します

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

 ビリー・ワイルダーの代表作ともいえるシチュエーションコメディ。10年温めたアイデアで、時代の流れにあわせてようやく映像化にこぎ着けた。出世と上司へのゴマスリのため、自分のアパートを愛人との密会場所として重役に提供するバクスター。お調子者の彼は出世街道に乗り意気揚々とするが、思いを寄せていたエレベーターガールまでもがアパートを出入りするひとりと知り、愕然とする。ワイルダーはこの作品で念願のアカデミー監督賞を手にした。

1960年製作/125分/G/アメリカ
原題:The Apartment
劇場公開日:1960年10月8日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第18回 ゴールデングローブ賞(1961年)

受賞

作品賞(コメディ)  
最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) ジャック・レモン
最優秀主演女優賞(コメディ/ミュージカル) シャーリー・マクレーン

ノミネート

最優秀監督賞 ビリー・ワイルダー
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映画レビュー

4.0台詞回しと演出が絶妙に上手い舞台喜劇。

2023年8月9日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

泣ける

笑える

楽しい

内容は、主人公のアパートメントの鍵を会社の上司にラブホテル代わりに貸し出す事で出世しようとする男と男運の悪い道ならぬ恋をする職場のエレベーターガールとの恋話。印象的な台詞は『物事は全て成り行きだね』色んな意味合いの混ざる思い言葉は、甘くて苦い胸打たれる台詞でした。キャストの表情や間合いで表現される場面はみてい観ていて惹きつけられました。印象的な場面では、最後の空白のクリスマスからの年越しのシーンです。上手く観客の心を惹きつけて落とし所を確保する辺りは上手いなあと感心します。毎回様々な伏線が張られており予想できる安易さも丁度よかったですし、狭い舞台で繰り広げられる人間模様は素晴らしいものがあります。印象的なアイテムは、割れたコンパクトで『割れてるね』『知ってるわ。この方がいいの!私の心を写してる様で…』三幕構成の第一幕終わりでの3人の関係性を知る場面には、演出の妙が巧みに繰り広げられ、ビリーワイルダーの真骨頂を魅せられた様な気になりました。個人的には『He's taker(奪う奴)』との第三者の台詞が好きです。会社の重役との不倫に悩んでいた時に聞かされるとは目も覚めます。正しく宮沢賢治『洞熊学校を卒業した三人』が好きな自分は、思わず現実社会でもアルアルだと思いました。なので、この歳になり周りに友達がいない現実に激しく納得しました。この事件後、主役二人の距離と二人の精神的な成長がハッキリとみられ応援したくなります。そして最後にはハッピーエンド。エンターテイメントでお決まりですが、何故幸せな結末が必要か否か理解出来る様に感じました。テンポの良さと映像伏線の素晴らしさと音楽との相性には映画を見ていて良かったなと思える部分が多分にあり何回も見たい凄い作品です。

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コバヤシマル

3.0後半がなぁ。。。

2023年5月17日
PCから投稿

前半のシチュエーションの面白さと語り口の上手さは もう 天下一品。見事だった。しかし 1時間 終わったところから急にストーリーの展開が止まったように感じた 。やることなすこと全てお決まりで描かなくてもいいシーンをダラダラ 描いてるように見えた。 全ては ラスト へ持っていくための焦らしのようなシーン。 主人公が最後の最後まで受動的で 映画的なドラマ性に欠けると感じた。

ここからは ネタバレです
主人公はお金を儲けたり 出世に役立てるために鍵を貸しているのか、 鍵を貸さなきゃいけないことになっちゃっているのか ?・・やってることが中途半端 。この中途半端な主人公が事の真相を知ったらどんな風に変わってくれるだろう・・というのが一つの期待というか サスペンスになっていて前半は本当に面白かった 。しかし事の真相を知った主人公は何ら変化することなく、 中途半端な奴のままでダラダラと話が続くだけだった。見てる私は飽きて嫌になってきた 。そして、どうにも嫌になってきたところでハッピーエンド 。このタイミングがよくて割とシャンとした映画になった。
実際にはこんな退屈な男のところに こういうタイプの女が自らやってくることは絶対にない。絶対にないというところがモテない男のファンタジーとしてうまくいっていたと感じた。

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タンバラライ

4.5チャップリンの『モダンタイムス』の様に見えた。

2023年5月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

ジジイ目線で終わる寓話。
初見は50年以上前で、我がオジキが好きな映画だった。
ガキだったので、シャーリー・マクレーンを綺麗なお姉さんと見ていた。だから、ファンにはなったが、映画自体は印象に残らなかった。
今回改めて鑑賞して、ジジイ目線で都合良く作られていると感じたが、奥深い所もあるんじゃないかと思った。
摩天楼のシーンから、資本主義経済の犠牲になっている労働者の話のような気がした。まるで、チャップリンの『モダンタイムス』の様に見えた。
ブリシットジョプを60年以上前にこの映画は描いている様に感じる。
具体的に言えば、エレベーターガールなんて、現代では必要のないブリシットジョプだ。また、ここで働く者のほとんどが必要ではない仕事に見える。
そして、アメリカ経済にとって、一番いらないのが、この会社なのではないかと感じた。具体的には、この会社から主な登場人物が去って、この映画は大団円を迎える。

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マサシ

4.0河島英五

2023年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

笑える

楽しい

 よくもまあこんなドロドロとして重苦しいストーリーをユーモアたっぷりに仕上げたものでしょうか。ところどころニンマリしてしまいます。やっぱりビリー・ワイルダーは天才です!
 この映画は男のずるさと女の弱さのはざまで展開される物語(やばい、河島英五っぽくなってきた)なんだけどやっぱり男視点の映画と言わざるを得ないのかなって思います。最近、昔の映画を観返していて改めて思うんだけど基本的に映画って男視点?それは監督さんがほとんど男性だから?女性の方々はこのような男視点の映画をどのように楽しめておられるのだろうか?今頃になって疑問がよぎる今日この頃です。
 1960年の作品だから今から60年以上前。私が初めて観たのは入社したての30年ほど前。その頃はまだバブルの勢いが残っていてやれ残業だ、出世競争だ、上司へのゴマすりだ、オフィスラブだのがはびこっていた時代だったからこの映画にもとても感情移入したものです。今となっては働き方改革だとかパワハラ撲滅だとかリモートオフィスだとかホワイトカラーの働く環境も大きく変わってしまいました。今の若い人がこの映画観たらどんなふうに感じるんだろう。もし機会があれば、こちらも是非きかせていただきたいです。

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おまつ
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