西島秀俊×香川照之共演「クリーピー」クランクアップ!出演陣が喜びのコメント
2015年9月8日 18:00

[映画.com ニュース]西島秀俊と香川照之が共演した黒沢清監督作「クリーピー」が、このほど埼玉県内の大学でクランクアップを迎えた。8月1日のクランクイン以後、スリラー映画の撮影にもかかわらず、現場は終始和やかな雰囲気に包まれた。最後のシーンのカットがかかると、主演の西島は笑顔をはじけさせ、黒沢監督とガッチリと握手を交わした。
第15回日本ミステリー文学大賞・新人賞を受賞した前川裕氏の同名小説を、「岸辺の旅」などの黒沢監督が実写化。黒沢組への参加は4度目となる西島と香川のほか、竹内結子、川口春奈、東出昌大ら豪華な面々が脇を固めている。
物語は、元刑事の犯罪心理学者・高倉(西島)の日常が、“奇妙な隣人”への疑惑と不安から深い闇へと引きずりこまれていく恐怖を描く。ロケ最終日は、高倉が教授として勤務する大学でのシーンを撮影。高倉と元同僚の刑事・野上(東出)が、6年前の一家失踪事件の生き残りである女性・早紀(川口)を研究室に招き事情聴取するひと幕や、高倉が講堂で教べんを執る場面が熱演された。
クランクアップにあたり、キャスト・スタッフ陣から喜びのコメントが寄せられた。黒沢監督は「俳優の皆さんは、すごく濃密な芝居をしてくれた」と称賛し、「ラストシーンは全員の緊張感が最高に高まったシーンで、俳優たちの表情がすさまじいものになっていると思います。『人間ここまで来るんだ』という限界を見せてくれて、非常にエキサイティングでした」と手応えを明かしている。
さらに西島は、「黒沢監督とは10年ぶりのお仕事で、非常に緊張して撮影に入りました。学べることがすごく多い現場で、改めて原点に還ったような気持ちで演じました」としみじみ。そして「香川さんと竹内さんとは別の作品でも共演していますが、黒沢組に入るとまた全然違って、監督にコントロールされた世界で、まったく新鮮な関係性を演じることができたと思っています」と振り返り、「本当素晴らしい体験で、こんなに幸せな撮影はありませんでした」と万感の思いを語った。
高倉の隣人役を異様な存在感で怪演した香川も、「黒沢組は俳優にとって自由な発想と動きが許される数少ない現場なので、撮影が終わってしまったことがとても寂しいです。西島さんや竹内さんとはこれまでも共演してきましたが、やっと黒沢組で一緒になることができ、自分たちで『ああ、映画を撮っているな』と心から楽しめた、思い出に残る撮影でした」と感謝の念を示す。高倉の妻・康子役の竹内は「まさかこんなに恐ろしい世界を撮っているとは信じられないくらい、不要な緊張を解いて臨めた毎日だった」といい、「まだ演じた康子のように夢を見ているかのような、フワフワとした心地です」と話している。
また川口は「黒沢組の撮影は不思議な感じで面白く、撮り方や独特の空気感とか、今まで味わったことがない現場でした」と感慨深げで、東出は「大好きでずっと参加したいと思っていた黒沢組は、とても独特で、すごくプロフェッショナルで、身の引き締まる思いでした。良い現場を経験させていただきました」と大満足の様子だ。「クリーピー」は、2016年夏に公開予定。
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