アンソニー・ホプキンス&マッツ・ミケルセン、新旧ハンニバル俳優の活躍に熱視線
2015年6月10日 11:00
[映画.com ニュース] 英国出身、現在77歳のアンソニー・ホプキンスと、デンマーク出身、49歳のマッツ・ミケルセン。生まれも年齢も異なるふたりの共通点は、それぞれ母国でナイトの称号を授与されていることと、希代の悪役ハンニバル・レクターを演じていること。ホプキンス主演の「ハイネケン誘拐の代償」が6月13日、ミケルセン主演の「悪党に粛清を」6月27日に公開されることから、新旧ハンニバル俳優の活躍に熱視線が注がれている。
ハンニバル・レクターといえば、天才精神科医にして人肉を食すシリアルキラー。トマス・ハリスの小説を映画化した「羊たちの沈黙」(1991)で同キャラクターをカリスマ性たっぷりに演じたホプキンスは、アカデミー賞主演男優賞を受賞し、続編「ハンニバル」(01)と、前日譚にあたる「レッド・ドラゴン」(02)でも映画史に名を残す悪役を演じてきた。レクター博士=ホプキンスというイメージが定着していた中で、若き日のサイコパスに挑んだのが“北欧の至宝”と呼ばれるミケルセン。13年にスタートしたテレビシリーズ「HANNIBAL ハンニバル」で、機知に富み、グルメで洗練された紳士という人物像を鮮明に打ち立て、絶大な人気を誇るようになった。
長らくレクター博士の代名詞的存在だったホプキンスが新作「ハイネケン誘拐の代償」で演じたのは、有名ビール企業ハイネケンの経営者フレディ・ハイネケン。1983年に実際に起きた誘拐事件を題材にした本作で、ハイネケンは人質の身でありながら、5人組の犯人グループを翻ろうし、巨額の身代金をめぐる大胆な計画を狂わせていく。この老獪(ろうかい)な大富豪をホプキンスが怪演しており、その巧みな話術や不敵な笑みはレクター博士を彷彿(ほうふつ)とさせる。
一方のミケルセンが主演した「悪党に粛清を」は、1870年代のアメリカを舞台に妻子を殺された元兵士ジョンの復しゅう劇を描くウエスタンノワール。「007 カジノ・ロワイヤル」の血の涙を流す悪漢ル・シッフル役で国際的に知れ渡り、「偽りなき者」でカンヌ映画祭の男優賞に輝いた実力派が、愛を奪われ再び銃を手に取る孤高の男を抑制した演技で体現した。
名優ふたりの活躍はまだまだ続く。ホプキンスは米国で今年放送予定の新テレビシリーズ「Westworld(原題)」に主演するほか、映画も2本撮り終えており、現在はスリラー映画「Beyond Deceit(原題)」の撮影中だ。ミケルセンは「HANNIBAL ハンニバル」シーズン3が米国で6月4日にスタート。ショーランナーのブライアン・フラーが、「シーズン3こそ、私が常々作りたいと思っていた本当の“ハンニバル”なんだ」と語っていることから、さらに注目度が高まることが期待される。
「ハイネケン誘拐の代償」は、6月13日から東京・新宿バルト9ほか全国で公開。「悪党に粛清を」は、6月27日から新宿武蔵野館ほか全国で公開される。
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