「ガンバ」が3DCGアニメで24年ぶりに復活!白組×「スパイダーマン」製作総指揮がタッグ
2015年5月8日 05:00

[映画.com ニュース] 映像製作会社の白組が、児童小説の不朽の名作「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」を3DCGアニメーション映画として新たに製作していることが明らかになった。タイトルは、「GAMBA ガンバと仲間たち」。構想15年、製作期間10年、総製作費20億円におよぶプロジェクトで、古沢良太が初めてのアニメーション作品の脚本を執筆した今作に、最先端の映像技術に率先して取り組んできた白組のクリエイターたちが挑む。
斎藤惇夫氏が1982年に発表した「冒険者たち ガンバと15ひきの仲間」(岩波書店刊)が原作だが、1975年に放送されたテレビアニメ「ガンバの冒険」があまりにも有名だ。これまでにも84年にテレビシリーズを再編集した「冒険者たち ガンバと七匹のなかま」(出崎統監督)、91年に新たに製作された「ガンバとカワウソの冒険」(大賀俊二監督)と2本が映画化されているが、今回は3DCG映画に限定する形で斎藤氏の許諾を得て、24年ぶりにスクリーンにガンバを復活させる。
白組の島村達雄社長、企画・総監督を務める小川洋一副社長、共同で監督する河村友宏氏と小森啓裕氏は5月7日、都内で会見。2000年に本格的な企画開発を始動させてから現在にいたるまでの経緯を説明するとともに、「スパイダーマン」「アベンジャーズ」などハリウッド大作で製作総指揮を歴任してきたアビ・アラドが、今作のエグゼクティブ・プロデューサーに就任したことを発表した。
同社が「GAMBA」の製作に踏み切った動機は、「3DCGでこれ以上遅れをとったら、アメリカ(特にピクサー)の背中が見えなくなってしまう」という危機感から。小川総監督の提案から00年に開発がスタートし、紆余曲折を経て製作委員会の組成が中断されたが、単独事業のリスクを背負っても製作を続けられたのは「必ず3DCGの時代が来る」という信念があったからだという。島村社長と小川総監督は、根気強く長期プロジェクトにまい進した河村・小森両監督を頼もしげに見つめる。
アラドが今作に携わることになったのは、来日時に映像を見せたところ「これは北米でも通用する」と絶賛したところから始まる。その後、何度か連絡を取り合ううち、13年末から正式にエグゼクティブ・プロデューサーとして参加することになったそうで、小川総監督は「我々が思い入れが強くて切れなかったところを、第3者の意見として切る決断をさせてくれた」と話せば、小森監督も「シェイプアップしてテンポを上げることができた」と手ごたえをにじませる。現在のところ本編は約90分を予定し、テレビアニメとはキャラクターのビジュアルも変わるという。
配給を手がける東映・調整部の紀伊宗之氏は、「2年前にお話を頂いたときから『CGアニメの未来は絶対にある! けど、それはいつなんだろう?』と思っていた。そうこうするうちに『アナと雪の女王』と『STAND BY ME ドラえもん』が大ヒットし、追い風が吹いた。世の中が目を向けるようになってきたし、子どもたちに抵抗感はない。東映としては、15年も取り組み続けてきた白組さんに最大限のリスペクトを払い、一緒に仕事ができることは大きな喜びです」と話した。
なお、アビドの紹介により、第86回アカデミー賞で3冠を達成した「それでも夜は明ける」に楽曲を提供したベンジャミン・ウォルフィッシュが作曲を担当。「ザ・ビートルズ」が録音を行ったことで知られる英ロンドンのアビー・ロード・スタジオで、フルオーケストラ演奏による音楽収録を終えているという。
「GAMBA ガンバと仲間たち」は、10月10日から2D/3Dで全国公開。
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