北野武監督、演技派“ジジイ”たちに感謝「日本の役者はやっぱり上手い」
2015年4月25日 17:00

[映画.com ニュース] 北野武(ビートたけし)監督最新作のコメディー映画「龍三と七人の子分たち」が4月25日、全国246スクリーンで封切られ、北野監督をはじめ主演の藤竜也、近藤正臣、中尾彬、安田顕が東京・新宿ピカデリーで行われた舞台挨拶に出席。北野監督は、キャスト陣に対し「今回、藤さんをはじめ皆さんの快諾を頂いてこの映画を撮れたことに、本当に感謝します。日本の役者はやっぱり上手いです。ふだんお笑いをやったことがない人が、これだけ笑わせるというのは大したものです」と謝意を述べた。
サングラスをかけて登場した藤は「満席のお客様の前でご挨拶をするというのは大変幸せ。このまま全国的にお客様が入れば、俳優たちにもボーナスが出るかもしれません」と茶目っ気たっぷりに挨拶。約1年前の撮影当時、主要キャスト陣は平均年齢72歳の“ジジイたち”だっただけに、「(撮影を)無事に終えるだけでも奇跡的なんだけど、来年の公開までみんな頑張ろうなという言葉を交わしましたよね」と話し、客席の笑いを誘った。
すると、近藤が「俺は自信があったよ。ジジイって強いよ!」と語れば、中尾も「俺も大丈夫だったね。ジジイって響きが魅力的になってきたねえ!」と笑い飛ばした。そして中尾は、現場では「昔話しかしなくてね、あとは年金、病気の話とか、そんなことばっかりです。芝居の話なんて誰もしない」と振り返り、「監督が来ないからな。よーいスタートもオッケーも言わないんだから!」とチクリ。北野監督は「私が演技をつける必要もないんで、端っこでテレビを見ているだけで十分でございましたよ」とひょうひょうと語り、丁々発止のやり取りで会場を盛り上げた。
一方、劇中で詐欺集団のボスを熱演した安田だが、この日は大ベテランを前に「借りてきた猫」状態に。「撮影中はもちろんジジイと言わせていただきましたが、大先輩の横に立たせてもらうと、なかなか言葉も出てきません」といい、「どんなジジイになりたいか」という問いには「健康のためなら死んでもいい、みたいなジジイになりたい」と謙虚に答えていた。
同作は、オレオレ詐欺にひっかかった元ヤクザの組長・龍三が、人々を騙す若者たちを成敗しようと、金なし、先なし、怖いものなしの昔の仲間を呼び寄せ、世直しに立ち上がる姿を描く。
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