9年ぶり映画出演の市原悦子、河瀬直美監督「あん」で樹木希林と初共演
2015年2月25日 09:00
[映画.com ニュース] 女優・市原悦子が、河瀬直美監督の最新作「あん」に出演することがわかった。主演の樹木希林による提案で今回のキャスティングが行われ、50年以上の役者人生を誇る大女優・樹木と市原の初共演がついに実現した。
市原が映画に出演するのは、出目昌伸監督の人間ドラマ「バルトの楽園(がくえん)」以来、約9年ぶり。市原は、樹木との共演を「楽しかったです。お互いに50年以上役者の仕事をしてきたのにこれまで一度も御一緒しませんでした。希林さんは年を経たこと、またお体の具合も万全ではないことが、より魅力的にしているのかなと感じました。撮影を待つ間も楽しかったです」と述懐。河瀬監督とも初タッグとなったが「自然との共生について、監督は地に根を張っていらっしゃると感じました。そして、優しく、竹のようにしなやかな女性の力が心強かったです」と信頼を寄せた。
作家、歌手、パーソナリティーと幅広く活躍するドリアン助川氏の同名小説を原作に、どら焼き屋で働く元ハンセン病患者の老女・徳江と人々の物語をつむぐ。市原は、樹木扮する徳江とともに療養所生活を送ってきた親友で、施設内の喫茶店で働く佳子を、「とことん疎外されて生きてきた女性なのに、あの優しさはどこから来るのか考えました。あこがれる女性像です」と丁寧に演じた。市原のほか、樹木とは「ピストルオペラ」以来14年ぶりの共演となる永瀬正敏が出演している。
どら焼き屋「どら春」の雇われ店長・千太郎の前に、店で働きたいと懇願する老女・徳江が現れる。徳江の作る粒あんのおいしさに店は瞬く間に繁盛するが、かつてハンセン病を患っていたことが噂になり、千太郎は徳江を辞めさせなければならなくなってしまう。
「あん」は、6月から全国で公開。