C・イーストウッド監督「アメリカン・スナイパー」緊張感に満ちた特報映像完成
2014年11月7日 11:00
[映画.com ニュース] 名匠クリント・イーストウッドの監督最新作「アメリカン・スナイパー」の特報映像が完成した。
現在「ジャージー・ボーイズ」が日本で公開中のイーストウッド監督の最新作は、米海軍特殊部隊ネイビー・シールズの元隊員で、米軍史上最強とうたわれた狙撃手クリス・カイルのベストセラー自伝を映画化した人間ドラマ。イラク戦争時、その狙撃の腕前で多くの同胞を救ったクリスは、それゆえに敵兵から命を狙われる存在となる。故郷の家族を思いながら、2003~09年に4度にわたる過酷なイラク遠征を乗り越えたクリスは無事に戦地から引き上げるが、妻子のもとに戻った後も心の傷に悩まされる。
「世界にひとつのプレイブック」「アメリカン・ハッスル」で2度のオスカー候補になったブラッドリー・クーパーが、プロデューサーとして自ら映画化権を獲得。厳密な食事制限とトレーニングで役作りにも励み、主演も務めた。
クリス・カイルは、13年に米テキサス州の射撃場で元米兵によって射殺されるという非業の死を遂げており、クーパーは「僕には、クリス・カイルと彼の家族をきちんと描く義務があった。それは絶対的なことだ」と力説。「彼の遺族がこの映画を気に入ってくれるか、彼と同じような体験をした人々が共感できるか、一般の観客が人間性というものに胸を動かされるかどうか。僕にとって大事なのはそれだけだ。彼の人生は評価されてしかるべきもの。僕らはこの映画でそれを実現できたらと思っているよ」と話している。
特報映像は、銃弾を装填する音から始まり、常にターゲットに照準を合わせるクリスの姿や、戦地での手に汗握る緊迫感が描かれる。一方で、クリスの妻との結婚式や子どもが誕生したときの幸福な思い出が挿入され、生と死が隣り合わせの戦場において、生きる喜びがフラッシュバックする。そうした中、クリスの照準は、爆弾のような物を抱え米軍に近づく戦地の子どもへと向けられていく。
日本公開日は、本年度の米アカデミー賞授賞式(現地時間2015年2月22日/日本時間23日)直前の2月21日に決定。アメリカでは12月25日に公開され、アカデミー賞の対象作品となる。「許されざる者」「ミリオンダラー・ベイビー」で2度のアカデミー監督賞を受賞し、本当の人間とは何か、本当の正義とは何か問う作品を世に送り出してきたイーストウッド監督の新作として、今作もアカデミー賞での健闘に注目が集まる。