第27回東京国際映画祭は米仏合作「神様なんかくそくらえ」に栄冠!監督賞と2冠
2014年10月31日 20:19
[映画.com ニュース] 第27回東京国際映画祭の授賞式が10月31日、メイン会場となった東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、米仏合作映画「神様なんかくそくらえ」が最高賞となる東京グランプリを受賞した。コンペティション部門に日本映画として唯一出品された「紙の月」は、観客賞と主演の宮沢りえが最優秀女優賞に輝いた。
東京グランプリを戴冠した「神様なんかくそくらえ」は、主演を務めたアリエル・ホームズの人生を下敷きに、ドラッグにおぼれながらニューヨークのストリートで生きる若者の姿を斬新なスタイルで切り取った意欲作。ホームズが自らを演じていることでも話題を呼んだ。
最優秀監督賞に続き、名前が呼ばれた監督2人は大喜び。ジョシュア・サフディは、「2つも受賞できて本当に嬉しい。コンペティションに選出されただけでも名誉なことで喜んでいたんだけど、なぜか東京の人々に受け入れてもらえるんじゃないかと思ったんだ。本当に感謝している」とニッコリ。ベニー・サフディも、「こういうステージに立つと、自分がコメディアンだった頃を思い出すよ」と話し、主演のホームズ、共演のケイレブ・ランドリー・ジョーンズと抱擁を交わしていた。
また、新設されたSAMURAI賞の最初の受賞者となった北野武監督とティム・バートン監督も登壇。北野監督は、「第1回東京国際映画祭に出た気がするが、あまりにも情けない映画祭だった。最近はグリーンカーペットで人をバッタ扱いしてたが、今年からようやく赤に戻った」と毒舌交じりの挨拶。さらに、同賞について「何の賞金もつかないしイヤだと言ったら、ティムを連れて来るというから、そんなら恥ずかしくないかな」と語った。バートン監督は、「本当にありがとう。日本は大好きな国。偉大な北野監督と一緒に受賞できて、名誉なことです」と笑みを浮かべた。
同映画祭の椎名保ディレクター・ジェネラルは、「オープニングセレモニーで安部晋三首相が『東京国際映画祭は海外の映画人、経済人を橋渡しするハブである』とおっしゃっていた。このメッセージを強く、重く受け止め、これから1年1年を積み上げていきたい」と総括した。なお、23日から9日間の累計動員は約39万5000人(劇場:4万4706人、TIFFCOMおよび共催企画:約20万人、レッドカーペット・アリーナイベント:約15万1000人)と発表された。
全受賞結果は以下の通り。
▼東京グランプリ:「神様なんかくそくらえ」
▼審査員特別賞:「ザ・レッスン 授業の代償」
▼最優秀監督賞:ジョシュア&ベニー・サフディ監督(「神様なんかくそくらえ」)
▼最優秀女優賞:宮沢りえ(「紙の月」)
▼最優秀男優賞:ロベルト・ビェンツキェビチ(「マイティ・エンジェル」)
▼最優秀芸術貢献賞:「草原の実験」
▼WOWOW賞:「草原の実験」
▼観客賞:「紙の月」
▼作品賞:「ゼロ地帯の子どもたち」
▼国際交流基金アジアセンター特別賞:「遺されたフィルム」
▼作品賞:「百円の恋」