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「怪しい彼女」ファン・ドンヒョク監督、新星シム・ウンギョン抜てきの道のりを明かす

2014年6月5日 13:05

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ヒロインのポーズをまねた監督陣
ヒロインのポーズをまねた監督陣

[映画.com ニュース] 「サニー 永遠の仲間たち」で注目を浴びた韓国女優シム・ウンギョンの最新作「怪しい彼女」を手がけたファン・ドンヒョク監督が6月4日、「フラッシュバックメモリーズ3D」の松江哲明監督とともに、バンタンデザイン研究所・東京校の学生に向け特別講義を行った。

映画は、ある日突然20歳の姿に若返ってしまった頑固で毒舌の70歳の老女が、得意の歌で人生を切り開いていく姿を描いたコメディ。本国韓国で大ヒットを記録し、日本でも第6回沖縄国際映画祭Peace部門海人賞グランプリを受賞した。

マイ・ファーザー」「トガニ 幼き瞳の告発」とシリアスな社会派ドラマを手がけてきたドンヒョク監督だが、本作では初めてコメディに挑戦し「前作『トガニ』はかなり苦労した作品。食事も喉を通らず5キロくらい痩せたし、ストレスで不眠症にもなった。こういう映画を作り続けていたら長生きできそうにないなと思い、僕自身へのヒーリングの意味合いもかねて、軽いタッチの笑える作品を撮りたいと思った」と着想を明かした。また、「私も母の献身的な姿を見て育ったので、個人的な感謝の気持ちを表した作品でもある。だけどどんな人にも親はいるので、世界中の観客が共感できる題材だと思った」と意図を語った。

松江監督は、「キャスティングが素晴らしい。20歳の主人公がおばあさんにしか見えない。普通は変化を見せるものだけど、役者におばあさんの芝居しかさせていないのは大胆」と思い切った演出に感心。するとドンヒョク監督は、「実は企画が始まった当初は“ロングヘアをなびかせた8頭身の美女”という設定だったので、シム・ウンギョンはリストにいなかった。だけど私は、明るくてはつらつとした不思議なキャラクターにしたかったのでシナリオを書き変え、この役ならばシムしかいないと思ってオファーした。彼女は単独で主演を務めたことがなかったので反対した人もいたけれど、完成した映画を見て彼女じゃないと成立しない映画だと認めてもらえた」と裏話を明かした。

ドンヒョク監督は学生からの質問にも応じ、好きな日本映画を聞かれると「アニメが好きなので宮崎駿監督の作品は昔から好き。岩井俊二監督の『ラブレター』も大好きで、韓国では日本映画が禁止されていた時期なので悪い画質のビデオテープだったけれど、気に入って5回くらい見た」。そして、「自分も映画監督になるために何をどうすればいいのか分からなかった。何かを作る人になるためには、恋愛でも旅行でも仕事でもいいから、とにかく経験の幅を広げることが重要だと思う」と学生たちにエールを送った。

怪しい彼女」は7月11日より公開。

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