劇場公開日 2014年7月11日

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怪しい彼女 : 映画評論・批評

2014年7月8日更新

2014年7月11日よりTOHOシネマズみゆき座ほかにてロードショー

笑えて泣ける"老若入れ替わり"ファンタジーは好感度満点!

韓国映画は表現の過剰さに辟易させられることが多いのだが、一方でサービス精神に感心させられることも多くある。本作もしかり。観客をガハガハ笑わせて人情でホロリとさせ、ちょっとせつないが爽快な気分にしてくれる映画だ。素敵なのは「よくできている」と感心するより以前に「好きだなー」と思わされるところ。「サニー 永遠の仲間たち」で主人公の少女時代を演じたシム・ウンギョンが、今回見せてくれるキャラクターを嫌いになるのは難しいだろう。

設定は、荒唐無稽だがよくある"中身入れ替わり”ファンタジーの一種。罵詈雑言を吐いてばかりいる74歳のばあさんマルスン(ナ・ムニ)が、なんとピチピチの20歳、オ・ドゥリ(ウンギョン)へと大変身! いやもう、ここからのベタだが外さない笑いの繰り出し方はちょっと感動的なほど。それもこれも、ウンギョンの徹底した“キュートだけど中身はクソババア”演技が揺るぎないからだ。しぐさやクセが、ナ・ムニの完コピ! おまけに歌声もいい!

実は憎たらしいマルスンも、夫を亡くして息子を抱え、人知れぬ苦労を経験している。我慢を重ねてきただけに、遅れてきた青春に浮かれまくり。孫のバンドに加わってアイドル歌手になり、若者と恋まで!? 脇ですこぶるいい味を出しているのが、マルスンを一途に思い続けているじいさんの存在だ。ところが終盤にかけては涙をブワッとあふれさせるスイッチがバシバシ、的確に入ってくる。儒教の国とはいえ、高齢者が敬われなくなりつつある現況。家族の真意。恋のときめき。そして過ぎた時代への愛着と悔恨と。オ・ドゥリの歌う韓国懐メロに懐かしさを感じられないのは実に残念!

最終ラウンドでの息子の言葉だとか、老人に戻るきっかけ設定などには無理があって突っ込みたくなるが、そのゆるさも込みで愛すべき作品。監督が悲痛な社会派「トガニ 幼き瞳の告発」を撮った人だということにもビックリだ。

若林ゆり

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