出でよ、女・松田優作!第1回「松田優作賞」グランプリ受賞作が映画化決定
2013年11月5日 06:00
[映画.com ニュース] 故松田優作さんの出身地・山口県で行われる周南映画祭で、2012年に新設された脚本賞「松田優作賞」の第1回グランプリを受賞した足立紳氏の「百円の恋」の映画化が決定した。同作の主人公が、ボクサーを目指す元引きこもりの女という難役であるため、企画・製作サイドは主演女優を募集するオーディションを行うという。
松田優作賞は、優作さんの志を受け継ぐクリエイターを発掘すべく新設され、国内外から151作品が寄せられた。優作さんの妻で女優の松田美由紀、脚本家の丸山昇一、プロデューサーの黒澤満らが選考を行い、女と男の挫折と再生という普遍的なテーマに挑み、人間の弱さと強さを真っ向から描ききった骨太な今作こそ、同賞にふさわしいと選出された。
映画化に際しては、ハードなアクションとラブシーンが必須の主人公・一子役(脚本上の設定年齢は32歳)を演じ切る女優が不可欠となる。オーディションでは、キャリアや実年齢は問わない。応募資格は、日本の芸能事務所に所属するプロの女優であることが条件だ。
物語は、実家で自堕落な生活をおくる一子が、離婚して子連れで帰ってきた妹との折り合いが悪く、一人暮らしをスタートさせるところから始まる。百円ショップで働くようになった一子の唯一の楽しみは、帰り道にあるボクシングジムで黙々と練習する中年ボクサーをのぞき見すること。ある日、知り合った2人はなんとなく一緒に暮らすようになり、体を重ねるうちに一子の中で何かが変わり始める。
撮影は、2014年春に優作さんの故郷・山口県内などで、地元フィルムコミッション全面協力のもと行われる予定で、武正晴監督がメガホンをとる。共演相手となる主演男優には、優作さんを敬愛する人気俳優を起用するほか、優作さんにゆかりのある俳優陣にも特別出演を依頼する予定だという。
オーディションに関する問合せ先は、ブレス(info@breathinc.com)へ。締め切りは、12月末日まで。「百円の恋」は、優作さんの命日にあたる2014年11月6日に合わせる形での劇場公開を目指す。