種田陽平氏、個展トークショーで「映画美術は建築だ」論をかく語りき
2013年11月2日 20:15
「THE有頂天ホテル」以降の三谷監督作品の美術を手がけている種田氏。会場には三谷監督の最新作「清須会議」の主要舞台となる清須城の天守閣の模型や大広間のセットなどが展示されているが、「終わった映画のセットって、あまり思い出したくないんですよね。次のことに夢中なので。でも、三谷監督からはいつも『話はいいけれど、覇気がない』といわれているんで徐々に思い出してしゃべります」と自ちょう気味に挨拶し、詰め掛けた約300人の来場者の笑いを誘った。
その清須城は資料が現存していないため、「当時の様式を意識しながら図面を描いて、建てていった」などと説明。屋根には鳳凰(ほうおう)が設置されているが、「僕が三谷監督とやる時は、どこかに必ず鳥を出そうと申し合わせている。いろんなところにチラッと出てくるので、映画で鳥が出てきたらニヤッとしてください」と諭した。
さらに、セットの模型の見方について、「上から見ては何も見えない。中腰で地面から3~5センチのところに目線を持っていってのぞくように見ると、細かいところまで分かります」と解説。スクリーンには映り込まない細部まで、徹底にこだわる姿勢を強調した。
三谷監督作のほか、「キル・ビル」シリーズのコーナーや、キアヌ・リーブスが初監督した中米合作のアクション映画「マン・オブ・タイチー」、チャン・イーモウ監督の「ザ・フラワーズ・オブ・ウォー」と日本未公開作品の模型なども展示。「チャン・イーモウの作品ではカトリック系の教会のセットを造るのに1年くらいかけた。中国でも大ヒットしたし、日本での公開を待ち望んでいます」と切望していた。
約90分にわたり、会場内を案内しながら映画のセットの魅力を語り、盛大な拍手を浴びた種田氏。「僕のコンセプトとして、映画美術は建築だと言っているが、セットが建つ過程もスライドで見せ、それがウソじゃないと分かってもらえるはず。十分に時間をかけて見てほしい」と自信たっぷりに話していた。
同展覧会は11月17日まで開催。映画「清須会議」は11月9日に公開される。
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