奥田瑛二監督「今日子と修一の場合」で「心の津波を描きたかった」
2013年9月19日 12:15
「長い散歩」(2006)でモントリオール世界映画祭グランプリを受賞するなど、映画監督としても高い評価を受ける奥田が、東日本大震災の被災地を舞台に、過去に犯した罪を背負いながら再生に向かう男女の姿を描いた人間ドラマ。
奥田監督は、前作「風の外側」(2007)に続き次女の安藤を主演に迎え、「『風の外側』は彼女のデビュー作だったので、どんな風に成長するかという目線で見ていた。あれから6年経った今、見事に第一級の女優に成長した。今回は彼女に全てを委ねたという気持ち」と娘の成長を実感。一方の安藤は、「何も変わらなかった。やっぱり親子だし、何度一緒にやっても形は変わらない気がする。以前よりリラックスしてできたけれど、『ここをこうすればもうちょっとお金が……』というフラストレーションもあり、娘として製作資金のことが気になってしまった」と本音で笑わせた。奥田監督も、「フランシス・フォード・コッポラがうらやましい。お金の使い方はイーストウッドを見習っている」と冗談で和ませた。
奥田監督は、被災地の宮城県南三陸町を訪れ「ニュースでは見えなかった強烈なものを目の当たりにして、ずっと自問自答していた。答えはひとつ。それは自分にしか撮れない、メジャーでは撮れない映画を撮ることだった。男と女、人とはどうあるべきかを表現したかった」。また、「私の映画は社会の病巣をとらえることがテーマ。大自然の猛威としての津波だけでなく、心の中の津波を描きたかった。被災地の方々が見たらどう思うのだろうという不安もあるけれど、南三陸町の方々にも見てほしいと思う」と真しに語った。
ある事件をきっかけに故郷を追われる今日子役を演じた安藤は、「個人的には今日子に共感はしないけれど、同じような境遇の女性は多いと思うし、修一とのバランスが良いと思った」と感想を述べた。出席予定だったもうひとりの主演で安藤の夫である柄本佑は、舞台の稽古のため欠席となった。
「今日子と修一の場合」は、10月5日から全国で公開。
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