長い散歩
劇場公開日:2006年12月16日
解説
06年度のモントリオール国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した「少女~an adolescent」「るにん」に続く奥田瑛二監督の第3作。厳格すぎるゆえに家族とバラバラになってしまった松太郎は、質素なひとり暮らしを始める。しかし、隣室の少女が虐待されていることを知り、少女を救うため、自身の過去を清算するため、少女を連れて旅に出るが……。主演は日本を代表する名優・緒形拳。脚本の桃山さくらは、奥田監督の妻・安藤和津、長女・安藤桃子、次女・安藤サクラの3人をあわせた名義。
2006年製作/136分/日本
配給:キネティック
スタッフ・キャスト
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アマプラにて鑑賞
序盤のシーンがきつい
その後はまぁ…笑ってしまうシーンも有り
(笑っちゃだめでしょ)
児童虐待がエグいです
これ2006年の映画か
こんな映画あったとは知らなかった
ロケーションも絶妙に良いんですよ
最後辺り純粋に感動してしまった
(最近中学の頃観とけばなと後悔すること多し…)
アリアスター監督好きそうな題材
ちなみに旅映画なら
学校Ⅳがお気に入り
2021年2月3日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館
高校の校長だった主人公。この団塊の世代の教師は「でもしか先生」と呼ばれる方が多く、いざなぎ景気を背景に「教師にでもなるか」「教師にしかなれない」と志願すれば誰でも教職に就くことができた世代だ。とはいってもレベルが低いわけではなく、逆に教師になってからがむしゃらに教育に取り組んで自分の家庭をも省みることがなかったのだろう。この安田松太郎(緒形拳)もその一人。娘に「人殺し!」と罵られるほど、アルコール依存症の妻を死なせてしまった悔恨の念を持っているのです。
一人暮らしを始めたアパートでは隣人が夫婦喧嘩(実際はヒモ)が絶えなく幼児虐待をもうかがわせる。その被害者である5歳の少女サチ(杉浦花菜)の虐待を受けた痕跡がとても痛々しく、耐えられなくなった松太郎が彼女を連れ出してしまうストーリー。高岡早紀の狂ったかのような演技も凄まじく、胸が苦しくなりました。また女の子の叫び声や、しつけの行き届いてないことがわかる粗暴な態度。メロンパンしか食べたことがないような食生活。そして、「死」ということが未だ理解できていない、いたいけな少女なのです。
虐待から解放したかっただけなのに、世間ではそれを誘拐というのが当たり前。行くあてもないような旅を続ける二人の間には、頑なに心を閉ざしていたサチが徐々にストックホルム症候群のように心を開き、信頼関係も生まれてくる。なにしろ、最初に名前を聞いたときには「ガキ!」と答えたほど。途中、唐突に現れたザンビア帰りの青年との微妙な関係も緊張感を与えてくれるが、ここでもまた「死」を考えさせられ、「おーい君、おーい天使、おーい青い空」という松太郎の詩の意味が浮かび上がってくるのです。目的地は家族で行ったことのある山の風景だったのだ。
サチはずっと天使の羽を背中につけていましたが、新聞紙を破いて羽根のように切り貼りしたもので、最後のほうにはボロボロになっていました。もしやファンタジー映画だったのか?と思わせるシーンには驚きましたけど、急降下するようにラストの現実へと戻されてしまう展開もまたいい。人生は長い散歩。贖罪や巡礼という言葉にも象徴されるように、誰もが感じるような人生の重い十字架もいつかは晴れる日がやってくる。天使のパンツを被って反省しなければならないなぁ・・・
【2007年2月映画館にて】
こんなに酷いストーリーに感動する人いるのかと思いますね。
犯罪者がなくならないわけだ。
2019年5月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
いろんな社会の人々のしんどい気持ちが痛い。気持ちがささくれ立った痛いシーンが満載。で、そのしんどさを受け止めてあげることができる人が、世の中にはどれくらいいるだろう。出会えたら幸運。松っちゃん、犯罪だと分かっているのに救いたかったものはいったい何なのだろう。小さな愛情を大切にして育てていきたいと思わせる秀作。