「強い映画になった」渡辺謙、4000人にこん身作「許されざる者」をアピール
2013年9月2日 20:56
[映画.com ニュース]俳優の渡辺謙が9月2日、東京・有楽町の東京国際フォーラムで行われた「許されざる者」のジャパンプレミアに出席し、「何かを感じてもらえる、強い映画になった」とこん身の一作を力強くアピールした。ジャパンプレミアには渡辺をはじめ、共演する佐藤浩市、柄本明、柳楽優弥、忽那汐里、小池栄子、國村隼、滝藤賢一、小澤征悦、三浦貴大、李相日監督が勢ぞろいした。
第65回アカデミー賞で最優秀作品賞をはじめ4部門を受賞した、クリント・イーストウッド監督・主演作「許されざる者(1992)」を日本でリメイクした本作。渡辺は「硫黄島からの手紙」(2006)撮影時に、イーストウッド監督と交わした会話を述懐。「監督が『こんな暗い映画を撮って、誰が見てくれるんだろう』と言っていたのが印象的だった。僕らにすれば神様みたいな彼が、同じように悩みながら作品を撮っている姿はうれしくもあり深く感動した」としみじみ語った。
もちろん、「李相日が魂をこめた映画に仕上がった」と本作でメガホンをとった李監督への賛辞も惜しまない。その李監督も「たくさんの見せ場がある作品だが、最後にみんなの名前が流れるエンドロールが最大のクライマックス。安っぽい言葉ですが、現場の血と汗と涙でできた映画。僕自身、何度も心が折れそうになりながら、皆に支えられた」と過酷な撮影が育んだ“きずな”に感無量の面持ちだった。
映画はオリジナルと同じ1880年、江戸幕府崩壊後の北海道を舞台に、かつて“人斬り十兵衛”と恐れられながら刀を捨てた剣士(渡辺)が、自らの尊厳をかけ再び刀を手にし、宿場町で恐怖政治を敷く警察署長(佐藤)に戦いを挑む。悪に徹し、バイオレンスを貫く役どころの佐藤は「皆さんにどう映るか楽しみです」と不敵な笑み。柄本は「悪人」(2010)に続く李監督とのタッグに「本当にしつこいです(笑)。いろいろ大変なところもあるが、俳優部はそんな監督を待っている。幸せな時間なんです」と振り返った。
現在開催中の第70回ベネチア国際映画祭に特別招待作品として出品されるほか、カナダで開催される第38回トロント国際映画祭の特別上映部門にも正式出品。また、第18回釜山国際映画祭のガラプレゼンテーション部門に出品されることも決定している。
「許されざる者」は、9月13日から全国で公開。
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