周防正行監督、15歳の新人・上白石萌音を主演に大抜てき!18年ぶりエンタメ作「舞妓はレディ」
2013年5月9日 05:00
[映画.com ニュース] 周防正行監督の最新作「舞妓はレディ」の製作が決まり、「Shall we ダンス?」以来約18年ぶりとなるエンタテインメント作品に挑むことが決まった。本木雅弘主演作「シコふんじゃった。」(1992)撮了後から構想を練り、20年以上も温め続けてきた渾身の企画。主演オーディションには800人が参加したが、最終選考のカメラテストで周防監督を「今すぐ本番が撮れる!」とうならせた上白石萌音が主人公・春子役に抜てきされた。
タイトル「舞妓はレディ」は、20年前から決まっていたという。オードリー・ヘプバーン主演作「マイ・フェア・レディ」からの語呂合わせだったそうで、「オヤジギャグですよね(笑)。でも、これだけで何かをイメージできるような華やかな感じも、とぼけた感じもある」と説明。さらに過去作を例に挙げ、「英語とカタカナの組み合わせだったり、シコをあえてカタカナにしてみたり。今回は漢字とカタカナで、あの頃の僕のセンスが濃厚に漂っている。久々に法律の世界から離れるので、『Shall we ダンス?』の世界観に近い作品になるかもしれない」と、タイトルに込めたこだわりを明かした。
主演の春子に扮する上白石は現在15歳で、11年の東宝シンデレラオーディションで審査員特別賞を受賞している。周防監督は、起用の理由を「磨けば光る原石。すれていないというのが一番です。彼女はショックかもしれないけれど、あか抜けないという魅力があった。だけど演技をしたり、歌ったり踊ったりしたときに表情が変わる。それが印象的で、書類選考とかちょっと会って話しただけだったら、選んでいないと思う」と話す。また、35ミリフィルムで撮った上白石の姿をスクリーンに映して確認するなど、妥協なき姿勢に期待は高まるばかりだ。
映画は、鹿児島生まれ、津軽育ちの春子が厳しい姐さんや女将さんのもと、京都弁、唄や舞踊の稽古にめげそうになりながらも、一人前の舞妓になることを目指して花街で懸命に生きる姿を描く。上白石も鹿児島出身ということもあり、京都弁には苦労している様子。それでも、「京都弁と花街の言葉とでは少し違うんですね。『どす』とか『…してはる』とか、ふんわりしていて好きです。撮影が終わったら、使いこなせたらいいですね」と目を輝かす。
半年間におよぶオーディションを終えた上白石は、京都を2度訪問し、実際に置屋に1泊したという。「舞妓さんや芸妓さんと一緒にご飯を食べたり、同じお風呂を使わせてもらいましたし、いろいろな悩みを聞かせてくれました。でも、すごく楽しそうでした!」。周防監督は、「スカウトされていましたよ。『女優なんてやめて舞妓になった方がいい』ってね」とニヤリ。京都弁についても、「身につけていく苦労も見どころのひとつ。まんま、いきますよ。映画では所作とか言葉も完成度を高めていくので、最後には『これぞ舞妓!』という姿を誕生させたいと思う」と語った。
これまでにも、舞妓をテーマにした作品は時代ごとに製作されてきた。周防監督は、「若尾文子さんの舞妓姿(『祇園囃子』など)もありました。映画監督が興味をもつだけの、スタイルのある世界なのでしょうね。かつての作品と、今回つくる花街の話を比べることで、日本の時代の変化というものが見えてくるのではないか」と熱く説く。上白石に対しても、「この作品は、スター誕生の映画だと思っている。今回オーディションした子たちはみんな、この世界でやろうという意識を強く持った子たちばかりだった。その代表ですから。女優さんへの一歩を、僕がきちんと手助けでたらいいですね」と親心をのぞかせた。
オーディションが終了した昨秋から、京都の紅葉などの実景撮りが進んでおり、上白石は5月中旬にクランクイン。京都の花街を再現した巨大オープンセットでの撮影、京都ロケ、都内近郊でのロケを行い、14年1月の完成を予定している。
「舞妓はレディ」は、14年に全国で公開。
フォトギャラリー
関連ニュース
映画.com注目特集をチェック
犯罪が起きない町で、殺人事件が起きた――
【衝撃のAIサスペンス】映画ファンに熱烈にオススメ…睡眠時間を削ってでも、観てほしい
提供:hulu
映画料金が500円になる“裏ワザ”
【知らないと損】「映画は富裕層の娯楽」と思う、あなただけに教えます…期間限定の最強キャンペーン中!
提供:KDDI
グラディエーターII 英雄を呼ぶ声
【史上最高と激賞】人生ベストを更新し得る異次元の一作 “究極・極限・極上”の映画体験
提供:東和ピクチャーズ
予想以上に面白い!スルー厳禁!
【“新傑作”爆誕!】観た人みんな楽しめる…映画ファンへの、ちょっと早いプレゼント的な超良作!
提供:ワーナー・ブラザース映画
関連コンテンツをチェック
シネマ映画.comで今すぐ見る
父親と2人で過ごした夏休みを、20年後、その時の父親と同じ年齢になった娘の視点からつづり、当時は知らなかった父親の新たな一面を見いだしていく姿を描いたヒューマンドラマ。 11歳の夏休み、思春期のソフィは、離れて暮らす31歳の父親カラムとともにトルコのひなびたリゾート地にやってきた。まぶしい太陽の下、カラムが入手したビデオカメラを互いに向け合い、2人は親密な時間を過ごす。20年後、当時のカラムと同じ年齢になったソフィは、その時に撮影した懐かしい映像を振り返り、大好きだった父との記憶をよみがえらてゆく。 テレビドラマ「ノーマル・ピープル」でブレイクしたポール・メスカルが愛情深くも繊細な父親カラムを演じ、第95回アカデミー主演男優賞にノミネート。ソフィ役はオーディションで選ばれた新人フランキー・コリオ。監督・脚本はこれが長編デビューとなる、スコットランド出身の新星シャーロット・ウェルズ。
ギリシャ・クレタ島のリゾート地を舞台に、10代の少女たちの友情や恋愛やセックスが絡み合う夏休みをいきいきと描いた青春ドラマ。 タラ、スカイ、エムの親友3人組は卒業旅行の締めくくりとして、パーティが盛んなクレタ島のリゾート地マリアへやって来る。3人の中で自分だけがバージンのタラはこの地で初体験を果たすべく焦りを募らせるが、スカイとエムはお節介な混乱を招いてばかり。バーやナイトクラブが立ち並ぶ雑踏を、酒に酔ってひとりさまようタラ。やがて彼女はホテルの隣室の青年たちと出会い、思い出に残る夏の日々への期待を抱くが……。 主人公タラ役に、ドラマ「ヴァンパイア・アカデミー」のミア・マッケンナ=ブルース。「SCRAPPER スクラッパー」などの作品で撮影監督として活躍してきたモリー・マニング・ウォーカーが長編初監督・脚本を手がけ、2023年・第76回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門グランプリをはじめ世界各地の映画祭で高く評価された。
「苦役列車」「まなみ100%」の脚本や「れいこいるか」などの監督作で知られるいまおかしんじ監督が、突然体が入れ替わってしまった男女を主人公に、セックスもジェンダーも超えた恋の形をユーモラスにつづった奇想天外なラブストーリー。 39歳の小説家・辺見たかしと24歳の美容師・横澤サトミは、街で衝突して一緒に階段から転げ落ちたことをきっかけに、体が入れ替わってしまう。お互いになりきってそれぞれの生活を送り始める2人だったが、たかしの妻・由莉奈には別の男の影があり、レズビアンのサトミは同棲中の真紀から男の恋人ができたことを理由に別れを告げられる。たかしとサトミはお互いの人生を好転させるため、周囲の人々を巻き込みながら奮闘を続けるが……。 小説家たかしを小出恵介、たかしと体が入れ替わってしまう美容師サトミをグラビアアイドルの風吹ケイ、たかしの妻・由莉奈を新藤まなみ、たかしとサトミを見守るゲイのバー店主を田中幸太朗が演じた。
文豪・谷崎潤一郎が同性愛や不倫に溺れる男女の破滅的な情愛を赤裸々につづった長編小説「卍」を、現代に舞台を置き換えて登場人物の性別を逆にするなど大胆なアレンジを加えて映画化。 画家になる夢を諦めきれず、サラリーマンを辞めて美術学校に通う園田。家庭では弁護士の妻・弥生が生計を支えていた。そんな中、園田は学校で見かけた美しい青年・光を目で追うようになり、デッサンのモデルとして自宅に招く。園田と光は自然に体を重ね、その後も逢瀬を繰り返していく。弥生からの誘いを断って光との情事に溺れる園田だったが、光には香織という婚約者がいることが発覚し……。 「クロガラス0」の中﨑絵梨奈が弥生役を体当たりで演じ、「ヘタな二人の恋の話」の鈴木志遠、「モダンかアナーキー」の門間航が共演。監督・脚本は「家政夫のミタゾノ」「孤独のグルメ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭。
奔放な美少女に翻弄される男の姿をつづった谷崎潤一郎の長編小説「痴人の愛」を、現代に舞台を置き換えて主人公ふたりの性別を逆転させるなど大胆なアレンジを加えて映画化。 教師のなおみは、捨て猫のように道端に座り込んでいた青年ゆずるを放っておくことができず、広い家に引っ越して一緒に暮らし始める。ゆずるとの間に体の関係はなく、なおみは彼の成長を見守るだけのはずだった。しかし、ゆずるの自由奔放な行動に振り回されるうちに、その蠱惑的な魅力の虜になっていき……。 2022年の映画「鍵」でも谷崎作品のヒロインを務めた桝田幸希が主人公なおみ、「ロストサマー」「ブルーイマジン」の林裕太がゆずるを演じ、「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」の碧木愛莉、「きのう生まれたわけじゃない」の守屋文雄が共演。「家政夫のミタゾノ」などテレビドラマの演出を中心に手がけてきた宝来忠昭が監督・脚本を担当。
内容のあまりの過激さに世界各国で上映の際に多くのシーンがカット、ないしは上映そのものが禁止されるなど物議をかもしたセルビア製ゴアスリラー。元ポルノ男優のミロシュは、怪しげな大作ポルノ映画への出演を依頼され、高額なギャラにひかれて話を引き受ける。ある豪邸につれていかれ、そこに現れたビクミルと名乗る謎の男から「大金持ちのクライアントの嗜好を満たす芸術的なポルノ映画が撮りたい」と諭されたミロシュは、具体的な内容の説明も聞かぬうちに契約書にサインしてしまうが……。日本では2012年にノーカット版で劇場公開。2022年には4Kデジタルリマスター化&無修正の「4Kリマスター完全版」で公開。※本作品はHD画質での配信となります。予め、ご了承くださいませ。