中田秀夫監督、「クロユリ団地」の「アイドルじゃない前田敦子をじっくり見て」
2013年5月3日 09:00

[映画.com ニュース] ホラー映画の名匠・中田秀夫監督の最新作「クロユリ団地」の公開を記念し5月2日、中田監督の代表作「リング」「仄暗い水の底から」を上映する“中田秀夫ナイト”が都内の劇場で開催され、中田監督は長年タッグを組んできた撮影監督の林淳一郎とともにトークイベントに出席した。
中田監督の代表作「リング」(98)、「仄暗い水の底から」(02)はともにハリウッドでリメイクされ、ハリウッド版の続編「ザ・リング2」では中田監督自らメガホンをとり、記念すべきハリウッド進出作ともなった。「リング」の撮影を振り返り、「97年の9月から2カ月くらいかけて撮影した。劇中の“リングビデオ”は特殊な加工をしているけど、『海や自然は澄んだものでなくどす黒く撮って』と林さんにお願いした」と裏話を披露。難題を受けた林は、「たまたま曇っていたので撮れたけど、晴れていたら困っちゃった。今はデジタルで100%計算通りにできちゃうけど、当時は目で見ながらのアナログ。でもアナログだと計算じゃないところが使えて味が出る。ホラー映画にはフィルムが合うと思ったね」と語った。
これには中田監督も、「フィルムの命はあと2年と言われているけど、ホラー映画界のために残してほしい。スティーブン・スピルバーグがフィルムで撮り続けると言っていたから大丈夫だとタカをくくっていたら、彼はすでにあきらめたと聞いた」と悲痛な面持ち。そして、「『リング』の心霊写真もアナログだからリアリティがあった。デジタルだと魔物が入る隙間がない。霊はフィルムの粒子のざわめきの中に入ると思っていた」と持論を交えながらフィルム存続の重要性を訴えた。
前田敦子と成宮寛貴を主演に迎えた最新作「クロユリ団地」は、謎の死が続く老巧化した団地を舞台にしたホラー。中田監督は、「20年やってきたのでひとまず集大成。集合住宅が舞台というのは『仄暗い水の底から』に、この世にあらざるものがこっちに寄ってくるというのは『リング』に共通したもの。それらの要素を抱えながら、2013年に公開する映画として現代の風を入れようと脚本の時点から考えていた」と構想を明かした。そして、「『リング』の松嶋菜々子さんに『仄暗い』の黒木瞳さんと。今回はアイドルの前田敦子ではなく、繊細で傷つきやすい20歳の女の子、前田敦子にしか演じられない二宮明日香を演じてほしいとお願いした。じっくり見てほしい」と女優・前田敦子の新たな船出をアピールした。
「クロユリ団地」は、5月18日から全国で公開。
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