大島渚監督葬儀 坂本龍一、弔辞で「戦メリ」出演時の思い出語る
2013年1月22日 15:38

[映画.com ニュース]大島渚監督の葬儀・告別式が1月22日、前日の通夜に引き続き東京・築地本願寺で行われ「御法度」主演の松田龍平らおよそ700人が参列、大島監督に最後の別れを告げた。音楽家の坂本龍一、映画監督の篠田正浩、ジャーナリストの田原総一朗らが弔辞を読んだ。
大島監督と共に“松竹ヌーベルバーグ”の旗手として時代を築いた篠田監督は何度も「大島渚……」と呼びかけ、時折言葉をつまらせながら「遺影を目の前にするとあなたの遺した映画の題名が次々とよみがえります。だから私にはいまも喪失感はありません」と盟友に最後の言葉を送った。
大島監督が何度も出演し激論を戦わせた討論番組「朝まで生テレビ!」の司会を務める田原は大島監督を「昭和が生んだ最大の芸術家。戦う芸術家でした」と称え「『朝まで生テレビ!』に他にはない解放区を作ってくれたのは大島監督と野坂昭如さんでした。私もおっかなびっくりでしたが、監督に怒られるのが怖くてブレーキをかけられませんでした」と往時を偲んだ。
最後に弔辞を読んだ坂本は「あなたは私のヒーローでした」と語る。「鮮明に覚えている」という監督との初対面について「一人で(「戦場のメリークリスマス」の)台本を小脇に抱えて会いに来てくださいました。『俳優として出てください』と言われ、僕は心の中では『はい』と叫んでいたけど、グッと我慢して無謀にも『音楽をやらせてくれるなら出ます』と言った。監督は『いいですよ』と即答してくれました」と懐かしそうに振り返った。同作で共演したビートたけしがその後、映画監督としても活躍している一方で坂本が監督に挑戦しようとしないことに大島監督は歯がゆさを感じていたところもあったようで「監督に『お前は卑怯だ!』と怒られたことがありました。そんなこと言われても才能ないので……」と苦笑しながら意外なエピソードを明かした。
そして、作品、テレビ出演を通じて社会への警鐘を鳴らし続けた監督の死で「社会を厳しく叱る人間がいなくなり、日本は少しつまらなくなったかもしれません」とも。最後に「あなたの全てにありがとう。安らかにお休みください」と別れを告げた。
松田龍平は、撮影のために欠席した「愛のコリーダ」の藤竜也の弔文を代読。「あなたは偉大です。僕のヒーローでした。ロケ地の紋別よりオマージュを込めて」と読んだ後に「大島さん、僕からもありがとうございました」と「御法度」で松田に俳優デビューの機会を与えた恩師に感謝の言葉を送った。
午後2時半過ぎ、松田、寺島進らが棺を霊柩車へと運び入れ、最後のお別れ。喪主として式の最後に挨拶に立った妻で女優の小山明子は参列者への感謝と共に「大島は映画人としてみなさんにこんなに愛され、こんなにたくさんの方に見送っていただき幸せな男だと思いました。いまごろ、天国で若松(孝二)監督とお酒を酌み交わしているでしょう。大島渚の妻として今日ほど誇りに思ったことはありません」と涙まじりに語った。坂本の「戦場のメリークリスマス」のテーマ曲が流れる中、多くの人に見守られながら棺を乗せた車は本願寺を後にした。
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