“ストーカー宣言”のふかわりょうが志茂田景樹と意気投合?
2012年10月15日 20:59
[映画.com ニュース] 「ペルセポリス」のマルジャン・サトラピ監督の最新作「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」の公開を記念し10月15日、作家の志茂田景樹とお笑いタレントのふかわりょうが都内の劇場でトークイベントを行った。
自伝的コミック「ペルセポリス」を自ら映画化したサトラピが、2005年アングレーム国際漫画祭最優秀作品賞を受賞した自作コミック「鶏のプラム煮」を原作に、初の実写映画に挑んだ。1958年のイラン・テヘランを舞台に、大切なバイオリンを破壊され深い絶望の淵に立たされた音楽家が、死を決意した最後の8日間で人生を振り返っていく姿をノスタルジックに描く。「潜水服は蝶の夢を見る」のマチュー・アマルリックが、天才バイオリニストのナセル・アリを演じる。
志茂田は、「せつないけれどとても笑いを誘われる部分がある。演出が本能的で定型を破っている」と独特の描写に感心。また、大切な楽器を失った主人公へ自身を重ね合わせ「類いなき名器を壊されたということは、彼の心の一部を壊されたということ。作家というのも命を削って書くような感じがあるのでそれと似ている」と共感していた。
ふかわは、「個人的で偉そうなことを言わせてもらうと、フランス映画はふたつに別れる。すごく退屈で悪性なものと、フランス映画らしいけど意外性のある良性なもの。この映画はもちろん後者の方で、描きたい部分がドロドロでリアルだけど、描くタッチが軽くてポップ」と高評価。さらに、「主人公の執念深いところが自分と重なる。若い頃、別れた彼女を平気で朝から晩まで待ち伏せしたり、自分はストーカーだった気がする。失恋を受け入れるまで時間がかかったし、付き合った彼女全員を引きずりながらの人生。気持ちの中ではストーキングはやめていない」と開き直り、会場の女性は悲鳴をあげていた。
Twitter上で一般ユーザーからのさまざまな人生相談に乗っている志茂田は、会場の恋愛相談にも応じ「恋に年齢制限も賞味期限もない。結婚もそう。相手がいれば成立する。恋愛というのは自由なもの」とアドバイス。ふかわが逐一同調していると、志茂田は「僕と話が合う人少ないのに」と驚き、奇妙なかけあいで会場の笑いを誘っていた。
「チキンとプラム あるバイオリン弾き、最後の夢」は、11月10日から公開。