阿部サダヲ&菅野美穂、不屈の東北魂描く「奇跡のリンゴ」で夫婦に
2012年4月6日 05:00
[映画.com ニュース] 阿部サダヲと菅野美穂が、絶対不可能といわれたリンゴの無農薬栽培に取り組み続けた男の実話を映画化する「奇跡のリンゴ」(中村義洋監督)に主演し、夫婦役で共演することがわかった。
原作は、NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」制作班が監修し、石川拓治氏が執筆した「奇跡のリンゴ 『絶対不可能』を覆した農家・木村秋則の記録」。妻の体調不良をきっかけに、無謀ともいえるリンゴの無農薬栽培に挑んだ木村秋則さんの軌跡をたどる。極貧生活、周囲からの変人扱い、自殺まで考えた波乱万丈の生きざまを、家族との絆(きずな)を絡めながら描く。
木村さん役に指名された阿部は、「『世界で初めて』を成功させて、今現在もご活躍中の方を演じる! そんな経験ないです!」。そして、「あの木村さんの雰囲気……、そう簡単に出せるものではないと思っております。たくさん研究して、試して、共演者、スタッフの方々と大事に育てて、素敵な秋則を作りたいと思っています」と意欲的な姿勢をみなぎらせている。
菅野は、農薬なしに農業に挑むことがこれほど大変だったとは思わなかったそうで、「無農薬はヘルシーで楽しいことだと思っていたのです。とりわけ、リンゴの果実を実らせるのがこのような困難を乗り越えての末のことだとは」と話す。さらに、「私は両親が岩手県のリンゴを作っているところの出身ということもあり、何か縁をいただいたようにも感じています。津軽魂ではありませんが、東北魂で頑張りたいと思います」とコメントを寄せた。
2年前にオファーを受けたという中村監督は、原作と脚本を喫茶店で読み号泣したという。「『普通やめるでしょ、そんなの』というところを、まったくあきらめない男と妻の物語です。今まさに何かをあきらめかけている方が見て、この家族に比べたら自分の方が恵まれているな、もう少し頑張れるな、なんて思っていただけるような映画になるよう、阿部さん、菅野さんをひどい目に遭わせ、どん底まで追い込んでいこうかと思っています」。
木村さん本人は、自らの人生が映画化されることに驚きを隠せないでいる。それでも「ひとつのものに狂えば、いつか答えは見つかるということを信じてやってきました。『とにかく、あきらめないで』というメッセージが、映画を通じてたくさんの皆さんに伝わることを祈っています」と完成を待ちわびている。
また、菅野扮する美栄子の父・征治を山崎努が演じる。ほか、原田美枝子、池内博之らが出演。脚本は吉田智子と中村監督が共同で、音楽は久石譲が手がける。撮影は4月中旬~6月中旬、弘前市の全面協力のもとオールロケを敢行し、秋と冬にも実景撮影を行うという。
「奇跡のリンゴ」は、2013年に公開。
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