福山雅治、5年ぶり映画主演 是枝監督作で“とにかく嫌なやつ”役
2012年3月26日 06:00
[映画.com ニュース] 俳優でシンガーソングライターの福山雅治が、是枝裕和監督の手がけるタイトル未定の最新作で、主演を務めることがわかった。福山にとって、主演として映画出演するのは興行収入約49億2000万円を記録した「容疑者Xの献身」以来、約5年ぶりのこととなる。
福山が、世界的に高い評価を受けている是枝監督との強力タッグ結成で、俳優としてさらなる高みを目指す。これまで、長編映画にはゲスト出演が数本あるものの、主演映画は意外にも「容疑者Xの献身」1本だけ。しかし、2010年に放送されたNHK大河ドラマ「龍馬伝」で主人公・坂本龍馬を見事に演じきり、翌年にギャラクシー賞を受賞するなど実力は折り紙付きだ。3月25日にクランクインしたが、「是枝監督が2012年のいま、リアルタイムで思い描くテーマに参加したいということが動機でした。ですから、どんな役でもやらせていただければと思っています。とにかく楽しみです!」と並々ならぬ意欲を燃やしている。
是枝監督は「幻の光」や「空気人形」など例外こそあるものの、オリジナルのストーリーに強いこだわりをもつ、日本を代表する映画作家。「誰も知らない」では、主演の柳楽優弥をカンヌ映画祭史上最年少の最優秀男優賞受賞に導くなど、演出にも定評がある。今回は、ストーリーを決める前から何度も福山と顔を突き合わせたそうで、「どんな映画にするか? どんなキャラクターを演じてもらうか? 一緒に考えてきました。新鮮なコラボレーションがどう作品に結実するか、僕自身も期待しています」と語り、撮影に突入した。
福山がどのような役どころを演じるかに注目が集まるが、是枝監督によれば「都内の一流企業に勤めるエリートサラリーマン。とにかく嫌なやつで、すぐ金の話をしてかげで他人の悪口を言うような小さな男」になるという。これは、「お会いしたらとてもまっすぐで爽やかな方だったので、まったく逆の人間をやらせたら面白いんじゃないか」という意図によるもの。福山にとっては新境地開拓となるが、「『役者』として今回の作品に取り組もうとする覚悟が感じられるので、こちらとしても背筋が伸びる」と“共闘”を誓った。
公開は2013年秋を予定。製作サイドは、「日本を代表する才能のひとりである福山雅治さんと、世界各国で高い評価を得ている是枝監督のタッグは新しい何かが生まれるだろうと期待しています。海外でも注目される作品になることは間違いなく、世界公開も視野に入れてアピールしていきたい」とコメントを寄せ、揺らぐことのない両者への信頼をにじませている。
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