渡辺謙、“師匠”山崎努から「初めてほめられた」と大テレ
2012年1月8日 19:54
[映画.com ニュース] 映画「はやぶさ 遥かなる帰還」主演の渡辺謙とJAXAの川口淳一郎教授が1月8日、埼玉・獨協大学で行われた講演会に出席し、同学の学生をはじめ若者たちに熱いエールを贈った。
7年もの時を経て、はるか宇宙のかなたから奇跡の帰還を果たした小惑星探査機「はやぶさ」のプロジェクトに携わった人々の苦難の道のりを描いた本作。映画の原作となった「小惑星探査機 はやぶさの大冒険」(マガジンハウス刊)の著者である山根一眞氏が同学で特別講師を務めることから講演会が実現した。
渡辺は、脚本が出来上がる前の段階で出演のオファーを受けたという。出演を即決したというが「ここ10年ほど海外で仕事をすることが多かったんですが、日本のブランド力にかげりが見えてきているのを感じていました。そんな中で、はやぶさの(帰還の)知らせは励まされるニュースでした。海外に向けてではなく日本人に向けて、元気を取り戻す材料になるのではと思った」と思いを明かした。
“プロジェクトマネージャー”という立場で、撮影後も広報などに積極的にかかわっている渡辺は、「川口先生の影響が大きい」と言う。「はやぶさを飛ばして回収するだけでなく、先生はそれがどういう経過をたどり、どういう成果を残したのかを常に世に広報していた。後から考えれば当たり前に思えるけど、当時はプロジェクトそのものがいつストップするか分からない状況。その中で常に的確な情報を流していた。僕らも映画を作るだけでなく、どう届けるのか考えるべきと思った」と話す。
また、今作では「タンポポ」(85)で共演し、渡辺が師と仰ぐ山崎努との共演も果たしている。この日、同席した坂上順エグゼクティブプロデューサーから山崎の伝言として「渡辺謙は本当にうまくなった」という言葉が伝えられると、渡辺は「初めてほめられました」と照れくさそうに笑みを浮かべた。
川口教授は先日、完成した映画を鑑賞したそうだが「本格的で重厚」と称賛。劇中、他の研究者と激しくやり合う場面も描かれているが、渡辺が「研究者たちの姿はいかがでした?」と尋ねると「イオンエンジンのエンジニアたちとのやり取りは見どころですね」と笑顔で合格点を与えた。集まった学生たちに向け、川口教授は「人生は材料集めでは終わらない。大学を出てすぐに大きなことはできないかもしれませんがこれからがスタートです」と語りかけた。
「はやぶさ 遥かなる帰還」は2月11日より公開。