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塚本晋也監督「KOTOKO」がベネチアの地元ファンの心を鷲づかみ

2011年9月9日 17:01

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「鉄男」に続き「KOTOKO」でもハートをがっちり
「鉄男」に続き「KOTOKO」でもハートをがっちり
写真:AP/アフロ

[映画.com ニュース] コリン・ファースゲイリー・オールドマンジョン・ハートら名優が顔をそろえたジョン・ル・カレ原作のイギリス映画「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」が、第68回べネチア国際映画祭で上映され、高い評価を受けた。

ル・カレのスパイ小説の中でも、傑作中の傑作とうたわれる本作を監督したのは「ぼくのエリ 200歳の少女」のトーマス・アルフレッドソン。若手ながら、静けさのなかに緊張感がみなぎるじっくりとした語り口で、スパイ映画のなかでも独特のトーンに仕上げている。男優陣がずらりと並んだ会見は、エレガントな英国メンズ・クラブといったおもむき。イギリス風のひねったジョークも飛び出すリラックスした雰囲気からは、チームワークの良さがにじみ出ていた。

併設のオリゾンティ部門では9月8日(現地時間)、塚本晋也監督がCoccoをヒロインに起用した「KOTOKO」が上映され、喝采を浴びた。べネチアの常連で、一昨年には「鉄男 THE BULLET MAN」をコンペに出品している塚本監督には、地元イタリアのファンが多い。この日も会場はほぼ満席状態で、終映後には日本語でサインを求める外国人ファンの姿も見受けられた。

塚本監督がCoccoにほれこんで企画したという物語は、子どもを愛するあまり世の中にうまく対応できず、精神に異常をきたしていくシングルマザーの姿を描いたもの。3.11の東日本大震災後の状況や、幼い子どもを持つ塚本監督の個人的な経験なども反映されたという、痛くせつなくパワフルなドラマだ。衝撃的なシーンもあるものの、ユーモラスな場面では笑いが起きるなど、場内はビビッドな反応に包まれた。
(佐藤久理子)

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