闘病中の原田芳雄「階段が多いから」主演作初日挨拶を欠席
2011年7月16日 14:36
[映画.com ニュース] 俳優の原田芳雄が主演する「大鹿村騒動記」の初日舞台挨拶が7月16日、東京・銀座の丸の内TOEIで行われた。腸閉そくと肺炎を併発し加療中の原田は、7月11日の完成披露試写会に車いすで出席。この日も登壇する予定だったが、急きょ欠席。メガホンをとった阪本順治監督は、「理由は(劇場の)階段が多いから。それだけ。本人はやる気満々だった」と事情を説明した。
さらに、「また映画がヒットした折には、どこかのシネコンでヒット御礼の舞台挨拶をし、お会いできれば。ご本人は誕生日の2月29日にライブをやって、トム・ウェイツのように歌いたいと言っている」と近況を報告。「まだまだやりたい(映画の)企画もあるそうなので、そのときはまた芳雄さんと組ませてもらえれば」と原田の思いを代弁していた。
舞台挨拶には共演の大楠道代、岸部一徳、佐藤浩市、松たか子、石橋蓮司も出席。大楠は「原田芳雄にとっては、映画のヒットが何よりの薬になるはず」とアピール。岸部は「テレビドラマではずっと一緒だったが、映画でここまで全力でぶつかるのは初めての経験。やっと実現し、自分自身にとってどの映画よりも特別なものになった」と原田との共演に感激しきり。また、石橋は「大鹿村の精神的な村長は原田芳雄です」と最敬礼だった。
また、佐藤は本作のプロモーションで出演したラジオ番組で「阪本監督は三谷幸喜が嫌い」という主旨の発言をし、そのままオンエアされてしまったと告白。壇上の阪本監督は「本当に困る。嫌いじゃないですよ」と大慌てで弁明し、「喜劇と銘打った映画は初めて。三谷さんとはまた違った喜劇になった」とPRしていた。
長野県・大鹿村を舞台に300年以上前から伝承される村歌舞伎“大鹿歌舞伎”と、そこにかかわる人々の悲喜こもごもを描く群像劇。大鹿歌舞伎の花形役者で、シカ料理専門店を営む主人公・風祭善(原田)が、駆け落ちした妻・貴子(大楠)の18年ぶりの帰還に翻ろうされる。全国97スクリーンで封切り。東映が「デンデラ」(天願大介監督)に続き、1000円興行を敢行する。
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