ベルリン映画祭が開幕! パナヒ審査員欠席を徹底抗議
2011年2月12日 22:18
[映画.com ニュース] 61回目を迎えたベルリン国際映画祭が2月10日(現地時間)、開幕。オープニング作品として、コーエン兄弟の新作「トゥルー・グリット」が上映され、監督ふたりとともにジェフ・ブリッジス、ジョシュ・ブローリン、ヘイリー・スタインフェルドのキャスト陣が出席して華を添えた。
今年の映画祭は作品情報だけを見る限り、あまり強い方向性を感じられないのが特徴だ。よくいえばビッグネームに頼らず、若手作家や政治的でシリアスな作品を後押しする伝統を継承した形。その一方で、業界的にはこの時期ビッグネームの監督たちはカンヌに照準を合わせているため出品を控える傾向にあり、その影響が出たとも考えられる。
コンペティションに参加する作品は計16本。ハンガリーのベラ・タールのようなベテランもいるものの、「彼女が消えた浜辺」で2009年にシルバー・ベア監督賞を獲得したアスガー・ファルハディやジョシュア・マーストン(「そして、ひと粒のひかり」)、ミランダ・ジュライ(「君とボクの虹色の世界」)ら若手監督が多い。レイフ・ファインズが初めてメガホンを取った「Coriolanus」や「キリクと魔女」のミシェル・オスロの3Dアニメ「Tales of the Night」などの話題作も。現在上り調子の3Dは本映画祭でも注目されており、ほかにもビム・ベンダースが故ピナ・バウシェを何年も追いかけた映像をまとめた「Pina」、ウェルナー・ヘルツォークの「Cave of Forgotten Dreams」がアウト・オブ・コンペにある。
ベルリンはコンペ以外にもパノラマ、パノラマ・ドキュメンタリー、フォーラム、子どもの映画を対象にしたキンダーガーテン、ジェネレーションKプラス&14プラスなど、パラレル部門が充実しており、作品数も多いのが特徴だ。日本映画はコンペにはないものの、パノラマに出品された「白夜行」をはじめ、他部門で計7本。さらにフォーラム・レトロスペクティブとして渋谷実の旧作が8本上映されるほか、岩井俊二がアメリカで撮った「Vampire」もパノラマにエントリーした。審査委員長のイザベラ・ロッセリーニは会見で、「審査員を頼まれただけでも光栄なのに、さらに審査委員長と聞いてエゴを刺激された」とジョークを飛ばした後、「さまざまな作品に触れられる素晴らしい機会」と語った。
また審査員会見で否応なく目を引いたのは、審査員メンバーのひとりであるジャファール・パナヒの空席だ。現在イラン政府により拘束中のため出席が叶わず、映画祭側はこれに抗議して最後まで席を維持する予定。さらに急きょパナヒのレトロスペクティブを組み、何本かの作品を特集上映する。ロッセリーニ審査委員長は、この件について「言論の自由、創作の自由はアーティストにとってとても大切。彼の不在は受け入れがたいことだ」とコメントした。
閉会式は2月19日。栄えある金熊賞ほか、各賞が発表される。
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