深津絵里「今日は宝物のような日」、妻夫木聡も万感の男泣き
2010年9月11日 15:09
[映画.com ニュース] 女優の深津絵里が第34回モントリオール世界映画祭で最優秀女優賞を受賞した「悪人」が9月11日、全国231スクリーンで公開初日を迎えた。今月7日に同賞を受賞し、10日に帰国したばかりの深津は、主演の妻夫木聡、李相日監督、共演の満島ひかり、樹木希林、柄本明とともに東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで舞台挨拶に立ち、日本の観客に受賞の喜びを語った。
劇場内にはレッドカーペットが敷かれ、観客の拍手や祝福の声に包まれ登壇した深津は、トロフィーを手に「とんでもないご褒美をいただいた感じです。監督の最後まで妥協を許さない演出と、その思いに応え続けたスタッフの皆さん、共演者の妻夫木さんや皆さんで戦った証。みんなで勝ち取った賞だと思ってます」と受賞の感想を述べた。そして、「ひとりでも多くの人の胸の奥深くに届くように願い、少しでも長く愛される作品になってくれるといいなと思います。本当に今日は宝物のような日。ありがとうございます」と喜びをかみしめた。
同作は、芥川賞作家・吉田修一の同名ベストセラーの映画化。出会い系サイトで知り合ったOL(満島)を殺害してしまった祐一(妻夫木)が、絶望のなかで出会った光代(深津)と逃避行を繰り広げる姿を通し、人間の善悪を問う。原作を読んで主演を熱望し、体当たりで臨んだ妻夫木は、ようやく迎えた初日に万感。「この日のために全てを捧げてきた」と涙で言葉をつまらせながらも、「自分にとって転機になった作品。いろんなことに挑戦した作品であり、ありのままの自分の姿だと思ってます」と話した。
舞台挨拶後、あらためて報道陣の取材に応じた妻夫木は、笑顔を取り戻し「姉が受賞した気分でうれしい」と深津を祝福。「(相手役が)深津さんでなければ成立しなかった。今回は今までと違う役作りをしてしまったので、自分でも何をするか分からず、ムチャクチャやっていた自分を支えてくれた」と頭を下げた。深津も「2人がひとつになって乗り越えた作品。私がダメだと妻夫木さんにもそのまま伝わってしまうのではないかというくらい、深くつながっていた。妻夫木さんは自分を映す鏡で、今回いただいた賞は妻夫木さんの賞でもあると思います」と話した。
なお、配給の東宝によれば、モントリオールでの受賞も追い風となり、初日午後1時時点での動員が「告白」(興行収入38億円)対比で117%と好スタートを切った。興収20億円越えは確実としており、30億円を目指すとしている。
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