北野武監督「アウトレイジ」、カンヌでスタンディングオベーション
2010年5月18日 11:55

[映画.com ニュース] 北野武監督の最新作「アウトレイジ」が5月17日(現地時間)、開催中の第63回カンヌ映画祭でコンペティション部門として正式上映と会見が行われた。
映画祭も中盤を迎えたこの日は、朝から快晴の“カンヌ日和”。北野監督は、「暴力的な映画ばかり撮ると言われて、それをやめたら今度はなんでやめたのかと言われた。でもまた同じような映画に戻ったと思われるのが嫌だったから、今回は同じバイオレントでも進化したと言われるような映画にしたつもり」と胸を張った。
同作は、昔気質のヤクザと今どきのビジネス至上主義世代という時代の移り変わりを絡めながら、暴力団の組内部での権力闘争を、着実な演出と畳み掛けるようなテンポで描く。通常の北野作品に比べるとユーモアやギャグは極力抑えられているが、それでも「悲しい場面や痛い場面で悪魔のように笑いが忍び込む」と北野監督が表現する通り、時折笑い声が会場で起こっていた。

夜の上映の最後にはスタンディングオベーションが鳴り響き、上映後のパーティで北野監督は「観客をKOしたという感触があった。『HANA-BI』『座頭市』『菊次郎の夏』に並ぶベスト4の反応。案外すんなり暴力が観客に受け入れられて意外だった。こんなバイオレントな映画をよくぞコンペに呼んでくれたと感謝しています」と喜んだ。
これまでに上映された中で、コンペ部門でもっとも好評価を得ているのはマイク・リー監督の「Another Year」。だが、ほかのコンペの顔ぶれも傑出した作品は現れておらず、本命不在という状態が顕著に。そんななか、「アウトレイジ」にどのような判断がなされるか期待がかかる。(佐藤久理子)
関連ニュース






映画.com注目特集をチェック

大量殺戮の容疑者は、妻と4人の部下
【ネタバレ厳禁の超一級サスペンス】全感覚を研ぎ澄ませろ――スパイによる究極のスパイ狩り
提供:パルコ

レッド・ツェッペリン ビカミング
【映画.com編集長が推したい一本】むしろ“最前列”で観るべき奇跡体験! この伝説を人生に刻め!
提供:ポニーキャニオン

“地球で最も危険な仕事”を知ってる?
【驚がくの実話】ヤバい、ヤバすぎる…生存確率0%からの生還に挑む超高評価作
提供:キノフィルムズ

すっげぇ楽しい超刺激作
【めちゃ笑った】激チャラ大学生が襲いかかってきて、なぜか勝手に死んでいきます(涙)
提供:ライツキューブ

映画を変えた“伝説の映画”
「マトリックス」「アバター」など数々の傑作は、このシリーズがなければ生まれなかった
提供:ディズニー

本作、良い映画ではないです。最高に良い映画です
【ラスト5分の余韻が、あなたの生涯に影響する】“ほっこり系”と油断してた…感情が持ってかれた
提供:松竹

これ観てない人、マジもったいない
【夏に観逃したという人へ…】まだ間に合う!むしろ今こそ映画館へ【知れば絶対に観たくなる7の事実】
提供:東宝東和

宝島
【超異例の「宝島」現象】こんなにも早く、心の底から“観てほしい”と感じた映画は初めてかもしれない。
提供:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント