アカデミー作品賞「投票システムに問題あり」の声
2010年3月9日 17:08

[映画.com ニュース] 「ハート・ロッカー」のアカデミー作品賞受賞に沸くハリウッドだが、一方で今年から新しくなった投票システムや、受賞結果の矛盾を非難する声が早くも上がっている。
今回は、1943年以来初の試みで、通常の倍となる10本が作品賞にノミネート。これまでアカデミー会員は、5本のノミネート作品から単純に1本を選んで投票すれば良かったが、今年は10本のノミネート作品に1~10位の順位をつけて投票し、その数字の合計が最も多い作品が受賞するという方式がとられた。
「マイレージ・マイライフ」を1位にしたある会員は、「本当に良くないシステムだと思います。理論上は、1位の票がまったく入らなくても作品賞に選ばれることがあるわけですから」と不満を漏らしている。つまり、「ハート・ロッカー」が1位の投票を最も多く集めたかどうかは不明なため、作品賞にふさわしいか疑問視する動きが起こっているわけだ。
この投票システム自体への批判は、もちろん授賞式以前にもあったわけだが、さらに受賞結果を受け新たな非難も生まれている。作品賞のノミネーションを通常の倍に増やした目的のひとつには、例えば「ダークナイト」や「ウォーリー」のように興行的に成功を収めた人気作品がノミネートされず、あまり知られていない作品が受賞する傾向を改善し、テレビ中継の視聴率低下に歯止めをかけることだった。
今年は大ヒット作「アバター」が作品賞にノミネートされていたため、授賞式中継の視聴率はアップ。それでも、最終的に受賞したのは10作品中、興行成績は8位の「ハート・ロッカー」だったため(同作よりも興行収入が少ないのは「17歳の肖像」「ア・シリアス・マン(原題)」だけ)結果的に矛盾が生じている、という批判が生まれているのだ。
ノミネート10作品の目的は、多くの作品にスポットを当てることによる映画興行全体の底上げがあり、この戦略は成功していると見る向きが多い。
受賞に喜ぶ者がいれば、必ず異議を唱える者もいるのは世の常だが、拡大されたノミネーションと投票システムが最終結果にどのような影響をもたらしたのか、討論の余地は残されているのかもしれない。
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