「トランスフォーマー」の売れっ子脚本家コンビが明かす仕事術
2009年12月9日 11:26
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[映画.com ニュース] 「トランスフォーマー/リベンジ」DVD&ブルーレイの発売を記念して、米サンタモニカで記者会見が行われた。会場には前作に引き続き脚本を執筆したアレックス・カーツマンとロベルト・オーチーの人気脚本家コンビが登場。2人は、サム・ライミが製作総指揮を務めるTVシリーズ「ジーナ」の脚本家として頭角を現し、J・J・エイブラムスのスパイドラマ「エイリアス」に抜擢。その後、「M:i:III」や「スター・トレック」、最新ドラマ「フリンジ」などエイブラムス作品に欠かせない存在に。スティーブン・スピルバーグにも認められ、「トランスフォーマー」「イーグル・アイ」など彼のプロデュース作品に起用されている、いまハリウッドでもっとも人気のある脚本家チームなのだ。
彼らが手がけた数多くのヒット作品のなかでも、「トランスフォーマー/リベンジ」は格別だ。なにしろ北米興収は4億ドルを突破し、本年度公開された映画のなかでナンバーワンである。派手なアクションやVFXばかりが注目されがちなアクション大作だが、ストーリーがしっかりしていることが成功の秘訣だとオーチーは胸を張る。
「かつて、スピルバーグに教えてもらったんだけれど、『E.T.』の初稿にはエイリアンが登場しなかったんだ。もともとは、父親がいなくて寂しい思いをしている少年の物語だったというんだよ。家族ドラマとしての基礎がもとから出来ていて、そこにエイリアンという要素が加わったからこそ、あの名作が出来上がったんだ。だから、『トランスフォーマー』シリーズを手がける際も、ロボットがいなくても成立する物語を心がけたつもりだよ」
現在、カーツマン&オーチーは、「スター・トレック」続編やTVシリーズ「フリンジ」をはじめ、多数の企画を同時進行でこなしている。超人的な生産量こそが彼らの武器だが、「ジーナ」や「エイリアス」といったTVドラマで製作総指揮を手がけた経験が生きている、とカーツマンは説明する。
「TVドラマの場合、あるエピソードのストーリー案を練っている間に、別のエピソードのアウトラインを執筆して、さらに別のエピソードの脚本を書く。その一方で、また別のエピソードの撮影と編集作業が同時進行で行われている。常にそれぞれ段階の違う5つのエピソードを手がけることになるので、頭の切り替え方をマスターしたんだ。それに、複数のプロジェクトを抱え込んだほうが、ぼくらはもっと生産的になれることに気がついた。ひとつのプロジェクトで煮詰まっても、別のプロジェクトに関わっているうちに、新鮮な視点で見ることができるようになるからね」
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脚本家チームのなかには、別々に仕事をする者もいるが、2人は常に一緒に執筆する。そのスタイルは、脚本の執筆を始めた高校3年生のときから変わらないという。オーチーは2人の個性の違いについてこう説明する。
「ぼくは脚本の構造的なところにこだわりがあって、アレックスのほうはエモーショナルなドラマに関心がある。言ってみれば、ぼくがスポックで、アレックスがカークなんだ。実際、『スター・トレック』でカークとスポックの口論をする場面では、アレックスがカークで、ぼくがスポックの台詞を書いた。ぼくらの口論がそのまま脚本に反映されているんだよ(笑)」
そんな彼らが手がけた「トランスフォーマー/リベンジ」は12月18日DVD&ブルーレイ発売。また同作とともに今夏の洋画市場をにぎわせた「ターミネーター4」(DVD&ブルーレイ発売中)との今年度ナンバーワンSF洋画大作の雌雄を決する選挙企画を実施中。詳しくは選挙企画特設ページ(eiga.com/magazine/senkyo/kaihyou)へ。
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